思い、そして感じた事をそのまま
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2011年に最高裁大法廷は2009年に行われた衆議院選挙に関し、2.30倍であった事から違憲判決が出されていた。
当時の内閣が立法府としての認識と責任をしっかりと持っていたとすれば、最高裁判決に応じ早急の措置を行わなければならなかった筈だ。だが、その様な行動を果たして示していたのだろうか。
最高裁は1票の格差は2倍未満としている様であり、2009年衆議院総選挙は2倍未満を超え、2.30倍となっていた。
1994年から始まる小選挙区比例代表制による格差を2倍未満に抑える為に衆議院議員選挙区画定審議会が設置されている。
ただ、自治体の人口比例に応じそのまま議席数を設置すれば人口の少ない地域の議席数は減少する事となってしまう。
故に、96年から「一人別枠方式」を行い、先ず都道府県に47議席を設置し地域の人口比例に応じ残りの議席数と配分するとされていたが、人口比例の少ない地域に多めの議席を配分する事となっていた。
この時点から既に違憲状態となっていたのではないかともされている。
日本国憲法第14条には「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とされているが、「一人別枠方式」により、政治などに関し国民は平等とはされていない。
国会議員は全国民の代表として合理的な一票の格差による選出が成されていない、として違憲判決を出したのではないか。と同時に、「一任別枠方式」の廃止も求めていた。
当時の内閣はこの判決が出た時点で、「一人別枠方式」の廃止は行ったらしいが、と同時に即座に違憲状態から脱する為の対策を実行しなければならなかった。
だが、与野党から異なる意見が出ている事を理由としていたのだろうか、当時の政権は主張させあうばかりで、まとめようとはしなかった。
最高裁の判決が出てから1年9ヵ月後に違法状態であると認識しながら野田内閣は衆議院選挙を実行した。
この衆議院選挙に関し、各地域で控訴が行われている様だが、複数の地域の高裁や地裁が違憲判決、或いは無効判決を出している。
故に、安倍内閣ではそれらの判決に応じた行動を行わなければならないとして活動を行っている。
だが、政党間での意見の食い違いがしつこく表明されており、今国会中に与野党による会合ではまとまる事など有り得ないだろう。
野党は、果たして選挙制度を違憲状態から脱する行動を真摯に行わなければならないと意識しているのだろうか。
この大きな問題を、今夏に行われる参議院選挙に利用しようとしているのではないのか。
その様にも思えてしまう。
ここで注目しておかなければならない事は、野田内閣が衆議院選挙を決断する前の11月に自・公とどの様な同意を行っていたのか。
違憲状態にある選挙制度を改正するには、まず0増5減を行い2倍未満の比率とし、その後に抜本改革を行う事で合意していた筈だ。
下野した民主は、この合意をあっさりと反故している。
安倍内閣では最高裁が合理的であるとする2倍未満にする様に、先ず0増5減を実行し早急に違憲状態から脱しなければならないとしている。
だが、昨年暮れに行われた衆議院選挙に関し、札幌・福岡高裁は判決の中で0増5減は現在の選挙制度による格差是正に関し「必要最小限の改定」に過ぎないと批判しているらしい。
民主の細野幹事長は、これを活用したと思えるが「0増5減を実行しても、また違憲状態となる疑義がある」などとして先行処理と抜本改革を分離して行うのでは無く、同時に行わなければならないと主張するし、他の野党も先行処理だけでは無く抜本改革を同時に行わなければならないとしている。
だが、野党が求める抜本改革とは一体何なのだろうか。日本共産党以外で共通している事は議員の大幅な削減。
民主は比例を80減少、小選挙区を30減少し現在の小選挙区比例代表並立制を行うと主張しているのだろうか。
昨年には議員減少と共に小選挙区連用制の実行を主張していた筈だが、安倍内閣となってからはこの様な主張がされたとは報じられていない筈だ。
また、議員減少を認めない共産党や社民党(サイトに議員減少は示されていない)、180議席の減少を主張するみんなの党は共に、小選挙区比例代表制から完全な比例代表制(並立制か連用制かはハッキリしない)へ変更する事を主張している。
維新の会は東京の国会議員団は「元たちあがれ日本」などの議員などを中心としていると思われるが、議員の336議席への減少と同時に、中選挙区制への変更を訴えている。
だが、大阪の橋下や松井は国会議員団が示した中選挙区制を当初は否定し、強く小選挙区制を主張していなかったろうか。
だが、何時の間にやら国会議員団と同じく中選挙区制を主張しているとも報じられるが、やはり中選挙区制に反対しているとも報じられている。
どの様に主張をまとめようとしているのか分らない。
ハッキリ言って、野党の主張する抜本改革とやらは、完全にバラバラな状態だ。特に日本維新の会は党内もバラバラの様にも思えてしまう。
これら野党の中で、特に民主の細野は0増5減を行ったとしても同じく「違憲状態となる疑義がある」と主張している。野党は抜本改革に執拗に議員減少を訴えるが、果たして本当の抜本改革となるのだろうか。
大量の議員減少による比例代表制だけとしたり、中選挙区制へと変更すれば確かに大きな改革と思われるのかもしれない。
だが、単純に議員数を減少するだけで小選挙区比例制を続行するのであれば、単なる見せ掛けに過ぎないんじゃないだろうか。
まして日本全体の人口比例は、常に変化しているのではないか。
であれば、現段階での人口比例に沿って小選挙区割りや比例代表のブロックを組み直したとしても、議員数の減少がある無しに関わり無く、数年後には現在とは異なる人口比例が発生している筈であり、与党が先行処理とする0増5減に関わり無く新たに違憲状態となる可能性はある筈だ。
何よりも与党の現在の違憲状態を早急に脱しなければならないとする主張と行動を野党は一切拒否し、それと同時に議員の大量減少を組み合わせた抜本改革を行わなければならないとしているが、野党の訴える抜本改革には大きな違いがある。
先にも書いたが、完全な比例代表制にしなければならないと共通の抜本改革を主張するする共産、社民党では議員数を減少してはならないとするが、逆にみんなの党は議員を大量に減少しなければならないとしている。
これらの比例代表制への変更を主張する政党間で折合う事が出来るのか。間違いなく不可能だろう。
また、民主党は昨年11月の段階で自・公との間で既に先に0増5減の先行処理を行い、後に抜本改革を行う事で合意をしていた筈。だが、それを反故とし先行処理と抜本改革を同時に行わなければならないとした。
下野すれば、高裁判例などを活用し合意を否定し、抜本改革を同時に行わなければならないと主張する様になる。
政府・与党に対する単なる反論を行っているとしか思われない。選挙制度の改正を真摯に思考しているなどとは全く思われない。
更に維新の会は国会議員団は議員の大量減少と共に現在の選挙制度を過去の中選挙区制へ変更しなければならないと強く訴えるが、橋下は今月に入り4日の大阪市役所での会見で小選挙区の議員数減少の必要は無く、21増21減による一票格差の是正を行うべきだと主張し、国会議員団にもメールで発信したとしている。
だが、これは小選挙区に関する事のみを語っているに過ぎず、比例代表に関しては何も語ってはいない。
しかし日本維新の会の「維新八策」や「骨太2013-2016」では、「衆議院の議員数を240人に削減」としているし、骨太2013-2016では「議員定数3割から5割削減」としている。
現在の衆議院議員定数は480。日本維新の会の主張の一つに参議院廃止があるのであり、維新八策や骨太に記される議員数削減は衆議院だけを対象としていると思われる。
維新に240議席への削減とあるが、骨太にある5割削減を行えば240人の議員減少となるのであり、比例代表議員だけを対象としているとは思われない。
維新に240議席への削減とあるが、骨太にある5割削減を行えば240人の議員減少となるのであり、比例代表議員だけを対象としているとは思われない。
維新八策や骨太の議員削減には、間違いなく小選挙区の議員達の減少も含んでいる事となる。
市役所で訴えている事と、維新八策や骨太で訴えていた事とは矛盾が発生しているのでは無いかと思えるのだが。
また、メール発信された国会議員団は橋下の突然の主張をどの様に受け取ったのだろう。国会議員団の意思が報じられているとは思われない。
これら野党が主張し訴える選挙制度の抜本改革が、野党の会合により結合されるなどとは全く思えない。
野党達は自党の主張や訴えを決して曲げる様な事などありえないだろうから。
違憲状態である選挙制度の早急の修正の実行と責任を負うのは立法府である事は、国会議員であればしっかりと理解している筈だ。
だが野党は、早急の修正よりも抜本改革を強く主張したがる。だが、全く異なる主張をする政党間で今国会中に結合しなければならない、などとしっかりと意識しているのだろうか。
結合など不可能だろうし、野党の議員達にその様な意識があるとも思えない。
政府・与党は違憲状態の修正を衆議院で強制的となろうと懸命に成立の実行を行おうとしている様であり、政府・与党は抜本改革を同時に行わず先ず修正を行う事を目的としている。
全くまとまりそうに無い抜本改革も同時に行っていては、違憲状態の修正も行えない事は明らかなのだから。
全くまとまりそうに無い抜本改革も同時に行っていては、違憲状態の修正も行えない事は明らかなのだから。
政府・与党の行動に対し、野党は間違いなく批判する立場に立つだろう。更に、今夏に行われる参議院選挙の討論の一つに加えられる事は間違い無いだろう。
結局、野党は違憲とされる衆議院選挙の改正をどの様に意識しているのだろうか。
政局での一つの道具としか意識していていないのではないか。
それを今夏の参議院選挙で活用する事により、与党の議員過半数取得を防ぎたい。そして、ねじれ国会を存続させたいと意識しているだけではないのか。
野党が違憲状態にある衆議院選挙の改正を真摯に行おうとしているとは全く思えない。
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