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通常国会の予算委員会で野党から国会議員定数削減の要求が執拗に行われているが、なぜ執拗に定数削減を要求したがるのだろうか。
これまでにも、国会やマスコミ、それに釣られてか有権者などでも一票の格差とやらを問題として、国会議員定数の削減を強く訴えている。

一票の格差というのは、有権者数の少ない選挙区で1票の価値が高まり、多い選挙区では価値が下がるという事らしいが、となれば人口の少ない地域での1票の価値が高いとされ、
多い地域では小さいとされる。
となれば、国会議員定数は人口が密集している地域で多くしなければならないし、人口数が少ない地域では少なくしなければならない事になる。

故に、衆議院小選挙区・比例区の議員数475、参議院小選挙区・比例区の議員数は28となっているが共に議員数の半分以上が関東や関西、東海の3つの地区だけに集中している。

やたらと一票の格差を問題としているが、それを解決する為に議員数を削減する事になれば、関東や関西、東海以外の地区から多くの議員が削減される事になるんじゃないだろうか。となれば、国会議員がたった一人だけの県や一人もいない県も出てくるかもしれない。

国会議員は選択された地域の思いを国会に訴え、その地域の問題を解決するように政府に訴える事も一つの責任だと思うのだが。
それを実行する国会議員が地方から削減される事になれば、現在問題とされている地域格差がより拡大される事になるんじゃないのか。

国会議員定数削減は本当に必要なのか。非常に疑問に思えてしまう。

そして国会議員削減を要求する要因の一つとして海外の国会議員数は日本に比べて少ないと主張している。

確かに議員数だけを見れば、欧州では日本よりも議員数が少ない国々が多い。フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、オランダ等。

法学館憲法研究所のブログに次ぎの様に書かれてある。
「しかし、そもそも日本における議員の定数は過剰なのであろうか。政治制度的にも比較がしやすい欧米諸国の議員の数と比較してみれば、日本の議員数は17.6万人に一人であり、スエーデンの2.7万人に一人とは6倍以上の差がある。イギリスと比較しても、4.5万人に一人であるから、4倍近い差がある。人口数を単純に比較するべきではないが、国会議員が「国民の意見を聴取して国会に反映し議論する」機能を有するところからすれば、少なくとも現段階での国会議員数は少ないと言わざるを得ない。国民主権・議会制民主主義を採用している日本では、主権者である国民の声が政治に反映するのが当然の憲法上の要請である。つまりただでさえ少ない国会議員を削減することは、国民の声が国会に反映しなくても良いという驚くべき主張である。」

一票の格差ばかりが問題視されているが、日本の国会議員数は海外に比べ決して多いという訳では無い。逆に少ないと考えるべきではないのだろうか。

そして、現在の国会議員は一部の地域に集中されてしまい、日本全体の国民の声が反映されない様になってしまっている。

またダイヤモンドオンラインの「日本の国会議員定数と議員歳費は「多すぎ・高すぎ」か?では「日本の国会議員数は他の先進国と比べて多くない。日本は衆参両院合計752人で、英国(1863人)、ドイツ(724人)、フランス(898人)より少ない。人口10万人当たりの国会議員数でも、日本0.57人に対して英国2.2人、ドイツ0.81人、フランス1.49人だ。(社会実情データ図録などを参照)。これ以上定数削減を行ったら「官僚支配」が強まるのは明らかだ。

 日本の通常国会では、予算審議に加えて、各省庁から出される100以上の法案が審議される。議員の数が少ないと、1つ1つの法案作成に国会議員が関与できなくなる。それを端的に示すのが、民主党政権「政治主導」の失敗だ。

 鳩山政権は、政調会による与党事前審査を廃止し、各省庁内で大臣・副大臣・政務官の「政務三役」が精査した法案を国会に提出する、「政治主導」の政策立案システムを採用した。だが、政務三役の3-4人だけで、膨大な数の法案を1つ1つ精査することは不可能で、むしろ官僚支配が強化されてしまった(前連載第33回を参照のこと)。日本より国会議員数が多い英国では、100人以上の与党議員が政府の役職に就任して政策立案に関わっている。膨大な法案を作成するには、むしろ与党議員の数をもっと増やすべきという考え方もあり得るのだ。

 一方、野党議員は無駄だという考え方もあろう。確かに、民主党は野党時代、「政権担当能力欠如」と言われ、実際に政権を担当したら準備不足を露呈した。ある意味、野党が仕事をしていないという批判は妥当だ。」(2012/02/01)と書かれている。

更に、東洋経済オンラインには「さて、話を議員の数に戻すが、この図を見てほしい。昨年12月に当選した衆議院議員の3分の1以上は新人である。選挙のたびに大量の新人議員がコロコロ変わる状況では、『頭数だけの議員なんか、誰でもできそう。無駄だな』という印象につながっても仕方がない。国会議員は議論のプロであるべきで、議決のときに党の意向に賛成するだけの人は不要である。

与党である自民党・公明党のベテラン衆議院議員は、合わせても196人しかいない。しかし、国家が抱える問題は多岐にわたっている。防衛、外交、財政、税金、年金、医療、労働、教育、憲法改正、経済活性化、金融改革、東北の復興、農業……。真面目にやると、この人数で仕事をこなすのは結構大変なのが実情だ。国会議員は722人で議論しているわけではなく、2つの院・政党・委員会に分かれて日々の活動を実施しているから、本当に議員数を削減して仕事がまわるのか?という検証は必要だ。」(2013/02/22)とも書かれている。

国会議員定数削減の一つの要因として、歳出削減を訴えている様だが、執拗に要求する実際に政治に関わっている国会議員や取材しているマスコミもそうだが、同意する有権者も単に定数削減などしても財政などに何の意味も無いという事を、どれだけ理解しているのだろうか。
議員削減する事により、果たして国や国民にどれだけのメリットがあるというんだろうな。
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