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昔から政治家には世襲が多いとされ、世襲したとされる議員を非難する事が当然の様になっている。
その影響を受けてだろうか、09年からの民主政権では有権者へ改革のイメージを持たせる為に世襲禁止を政権公約に加えられていたのだろうと思われる。

 
だが、民主政権となり民主党への信頼は大きく破壊された。故に、昨年の衆院選では民主のイメージをどこまでもぶっ壊さない事を意識してだと思うが、立候補者の世襲を強く禁じてたと思うが。
それにより、羽田元首相の息子であり野田内閣では国交相を任されていた羽田雄一郎の出馬が断念される事となっていた。
 
政治家の世襲を批判する要因としては、先代が作り上げた選挙地での支援基盤を利用して選挙に立候補する事により、他の世襲で無い新人議員よりも有利な立場で選挙に挑む事ができるイメージが強く持たれている。
 
この事に、政治家世襲が強く批判されているのではないか。だが、その支援基盤はあくまでも先代が作り上げた物であって、息子などが後を継ぐ様に立候補する時にも先代と同じ様に支援活動を行うのかもしれない。
選挙期間での活発な情報提供や選挙活動への支援など。対して、元から支援基盤を持ち得ていないだろう新人候補は確かに選挙活動においては不利な状態となるのかもしれない。
 
だが、国会議員を選択するのはあくまでも有権者であって、有権者の立候補者の選択に支援基盤が有るか否かなど関係無いと思われる。
先代が非常に優れた活動をしていた世襲とされる立候補者であっても、先代とは全く異なる個人である事に間違いは無い。先代が政治家であろうと無かろうと、その様な事など有権者には選択の要素などにはならない筈だ。
 
先代のイメージから選択するとすれば、立候補者達がどの様な個人でありどの様な政治活動を訴えているのか情報を客観的に的確に考慮し、どの立候補者に投票をするのかを判断しなければならない。
有権者は先代からのイメージなどでは無く立候補者その者を的確な判断により、誰を議員として選択し投票するかの選択を大きな責務として任されているのではないかと思うのだが。
 
政治家世襲であろうと無かろうと、政治家としての高い能力を持つ者も存在すれば、全く無能な者も存在するだろう。先代が実績を残し非常に優れた政治家と称されていようとも、後を継ぐ者も同じ様に優れた者とは限らない。
同じ様に優れた者もいるかもしれないし、全く無能な者もいるだろう。
と同時に、世襲でない者にも同じ事が言える。要するに政治家が世襲であるか否かなど、国会議員として選択する要素とは全く関わりの無い事は明らかだ。
 
なのに、一般の有権者は何故政治家で世襲が行われてはならないと決め付ける様になったのだろうか。不可思議に思えてならない。
国会議員などを選択する権利を持っているのは、国の主権者である国民の有権者である筈だ。
政治家の世襲はあってはならないと主張しながら、世襲する立候補者を国会議員として選択しているのは主権者である国民の有権者ではないのか。

 
世襲の立候補者を国会議員などに選択しておきながら、政治家の世襲を激しく非難する。
自分達の投票により当選した政治家世襲とされる議員達を批判する事は、自分達の責任を無視し議員達に転嫁している事ではないだろうか。
 
何よりも世襲とは何だろう。コトバンクなどで検索してみると「その家の地位・財産・職業などを子孫が代々受け継ぐこと。」と書かれてある。
 
歌舞伎などの芸能では当然の如く行われている事だと思うが、小さなサービス業などでも殆ど行われていることではないか。政界だけでは無く、民間でも活発に行われている事は間違いない。
ただ、政界とは異なり子供の頃より役者として修行されたり、親の商売に直接触れたりする事より強い関心を持つ様になり店の跡継ぎとなる事を目指そうとする者が出るのかもしれない。
 
政界の子供達は親より政治家として修行されたり、親の仕事に直接触れるような事はないんじゃないのかな。ただ、人としての成長と共に親の仕事に関心を持つ者も現れるのではないか。
だが政界に関心を持とうとはせずに別の世界を目指す者が多く出ているのかもしれない。逆にそうでなく親と同じ政治に直接関わる職務を行いたいと意識する者も現れるだろう。
 
そう思う者は単に親のすねかじりをするのでは無く、政治に関する学習をしっかり行う者も多くいるだろうし、親の秘書などとなり実体験を行おうとする者もいるのかもしれない。
そうして真剣に政治家を目指す者が多く存在している可能性は高いと思われる。
だが、単に親の真似して政治家になりたいと思い、先代のイメージなど利用して議員となっている者もいるのかもしれない。

 
その代表は、間違いなく鳩山由紀夫だろうな。
 
親と同じ仕事を目指すか否かは個人の自由である筈であり、他の者が束縛する権限など無い。
親と同じ政治家を目指し立候補した者達、或いは親とは関わり無く政治家を目指し立候補した者達の選択は有権者に託されているのだ。
 
多くの有権者は政治家の世襲を強く批判するが、批判する世襲の者を議員としているのは有権者の筈だ。
自ら政治家世襲の議員を誕生させて置きながら、自分達に託された責任などは一切無視し、自分達により誕生させた世襲の国会議員を批判する事は非常に可笑しい事ではないだろうか。
主権者である国民の有権者には立法を任せられる職務の者達の選択を託されており、立法・国政を任せるべき者を的確に選択すべき選挙には大きな責任があるのだから。
 
自分達が選択し国会議員とした者を、選挙で議員の選択を任されている有権者が世襲議員などと批判する事は大きな間違いが有るのではないか。

その様に思えてならない。
 
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