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野田政権は消費増税を実現する事に必死の様だが、そして増税の理由として麻生内閣で可決されている「所得税法等の一部を改正する法律」としているらしい。
 
だが、ただ利用しようとしているだけで、法を守ろうとはしていない。
 
 
 
 野田佳彦首相は21日の参院予算委員会で、消費増税法案の今年度中の提出について「経済の好転は前提ではない」と語った。不景気は法案提出を遅らせる理由にならないとの考えを示したものだ。自民党の礒崎陽輔氏の質問に答えた。
 
 政権が法案提出の根拠とする改正所得税法の付則には「経済状況を好転させることを前提として」と記されている。首相はこの解釈について「消費税を10%に引き上げていくときの経済状況を書いてある。(法案提出前の)いまの景気判断とは別だ」と答弁した。
 
 宮中行事より同僚議員のパーティーへの出席を優先させたと発言した一川保夫防衛相に厳重注意した件については、首相自身が官房長官に注意を指示したと説明。「軽率だったと思うが、厳しいご指摘もふまえ職責を果たしていただきたい」と述べ、辞任は不要との立場を示した。
(朝日新聞2011/11/21)
 
野田は「消費税を引き上げていく時の経済状況を書いてある。いまの景気判断とは別だ」と答えたらしいが、附則(税制の抜本的な改革に係る措置)では「平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組みにより経済状況を好転させる事を前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行なうため、平成23年度までに必要な法制上の措置を行うものとする」とある。
 
民主政権となってから税制の改革を行う為の措置を行ってきているのだろうか。何よりも、可決した時から23年度までに抜本的な改革を行う為に経済状況を好転させる事を前提とするとあるが、可決した当時から好転した状況にあるのだろうか。
 
逆に景気・経済状況は可決された時よりも悪化しているのではないのだろうか。
 
麻生内閣が可決した「所得税法等の一部を改正する法律」では、3年以内に経済状況を好転する事を前提としているのであり、当時の景気よりも回復した状況としなければならないとしている。
 
そして消費増税は「その負担が確実に国民に還元されることを明らかにする観点から、消費税の全額が制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用に充てられることが予算及び決算において明確化されることを前提」として、消費税の税率は検討されなければならないとしてある。
 
経済状況が回復しないままに消費増税が行われれば、国民の生活に大きな負担を強いる事は間違いない。現在の景気は「所得税法等の一部を改正する法律」が可決した時から回復している事は無いだろう。逆に悪化している可能性は高い。
 
大震災の被害を直接に受けた地域の人々に対しては、より生活を苦しくする賦課となっていくだろう。
 
また、野田政権は社会保障一体改革の為に消費増税を行わなければならないとするが、果たして社会保障などに確実に当てられる事が明確化されているのだろうか。ただ、社会保障の一体改革に消費増税は必然と訴えているだけで、消費増税が社会保障にどの様に充てられていくのかなど一切明らかとはしていない。
 
野田は、「所得税法等の一部を改正する法律」を根拠として消費増税法案の提出を行おうとしているらしい。だが、法案提出には「経済の好転は前提ではない」と語っている。麻生内閣で可決された事とは、全く異なる事を行おうとしている。これは完全な違法行為では無いのか。
 
何よりも、「所得税法等の一部を改正する法律」は消費増税を行うには国民生活にゆとりを持たせる事を前提としていると思われるが、野田は国民生活を全く無視した行為を行おうとしている。
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