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11月28日に麻生首相と民主党小沢代表による初の党首討論が行われた。
当日見ることが出来ず、後日You Tubeで観たのだが、討論の展開は完全に麻生首相のペースとなっていたと思われる。麻生首相が主張していた事が中心となって、討論が展開されていた事は間違いないのだろうから。
マスコミは、その様な事は一切報じていないようだけど。
そして小沢代表が、最初から最後までしつこく訴えかけていた事が今国会に2次補正予算案を提出する事であった。最後の最後には、切れたのだろうか解散して総選挙をしなければならないといった事までも訴えていたように思うのだが。
だが、麻生首相が現在の景気状況に対して、急遽に対応しようとしているのは、2次補正予算では無く10月30日に発表された追加経済対策ではないかと思うのだが。
10月30日に追加経済対策を発表した時の会見の時には、
ー引用ー
これから年末にかけて、中小企業の資金繰りは苦しくなります。第一次補正で、緊急信用保証枠を6兆円としましたが、その後の国際金融情勢が、より厳しいものとなっております。中小企業、小規模企業の資金繰りをより万全なものとするために、私の指示で20兆円までこの枠を拡大します。
また、政府系金融のいわゆる緊急融資枠を、3兆円と前回しましたが、これを10兆円まで拡大します。合わせて約30兆円の対策となります。
省エネ・新エネ設備を導入した場合に、即時償却、すなわち初年度に全額償却できるようにします。
金融対策につきましては、金融機関への資本参加枠の拡大を行わせていただきます。株式に対する配当課税など、現行10%しております軽減税率を延長させていただきます。
第三は、地方についてです。
高速道路料金を大幅に引き下げます。休日はどこまで行っても一律1,000円というわけではなくて、1,000円以下に。最高1,000円。平日は、昼間も3割引にさせていただきます。
また、道路特定財源の一般財源化に際しましては、1兆円を地方に移します。
以上のようなことを行い、その際にできるものから、順次実施させていただきます。法律、予算の伴わないものは、でき次第直ちに。
次に、20年度補正予算と関連法律、その次に21年度の当初予算と関連法律の順に実施してまいります。
(首相官邸・麻生内閣総理大臣記者会見より一部抜粋)
ー引用ー
どのマスコミでも報じられてはいなかったと思うのだが、この様な事が語られていたようだ。
追加経済対策が発表された翌日からだったのだろうか、何故かマスコミはこの対策の中より、定額給付金のみに的を絞るようにして連日の様にして報じるようになっていた。
しかも、追加経済対策の目玉というか、まるで定額給付金だけしかないかのようにも表現を繰り返すと同時に、強烈な批判を行いながら。
これに乗っかるようにして、民主党なども活発に麻生首相の追加経済対策というよりも、意識しての事だったのだろうと思えるが、定額給付金を強烈に批判を行っていた。
そして、民主党やマスコミなどはいつの間にやら麻生首相に、やたらと2次補正予算案が今国会に提出されない事を批判するようになったのではないだろうか。
日本の景気状況が更に悪化していく傾向にありながら、追加経済対策の目玉である定額給付金も含まれている2次補正予算案が提出しない事を、強烈に批判している。
2次補正予算をさっさと提出してくれなければ日本の景気・経済状況はよくはならないではないか。出すつもりでなければ、さっさと解散をして総選挙をしてくれ。
マスコミや民主党などは、その様に言いまくり、我々国民に対して麻生首相に対する悪イメージをしっかりこじつけようとしていたのかな、とも思えてきているのだが。
マスコミは追加経済対策の目玉を定額給付金として集中的に批判する事により、他の要旨を完全に無視するようにして、故意に報じようとしなかったといっていいのではないのだろうか。
追加経済対策は当然、定額給付金のみで構成されているものでは無い。
まず「生活者の暮らしの安心」「金融経済の安定強化」「地方活性化」「財源、財政の中期プログラム」の4つに分けられ、「生活者の暮らしの安心」に定額給付金や雇用保険料、介護報酬、子育て応援特別手当といった要旨が含まれている。
また、「地方活性化」には、高速道路料金に関する事、学校など公共施設の耐震化や防災対策を実施、コメの減反に参加する農家に協力金を支給があり、そして住宅ローン減税を過去最大規模に拡充して延長、住宅リフォーム減税を実施する、道路特定財源から1兆円を地方の実情に応じて交付、地方自治体に6000億円の臨時交付金といった要旨が含まれている。
更に、「金融経済の安定強化」では、証券優遇税制の3年間延長や少額投資優遇制度の創設。そして、中小企業向けの融資や保証枠を前回対策と合わせて30兆円に拡大、金融機能強化法を改善・復活し、金融機関への予防的な資本注入枠を拡大によって構成されている。
この中で麻生首相が最も重視していたのは、「金融経済の安定強化」の中にある中小企業向けの融資や保証枠を拡大する事と、金融機能強化法を改善・復活し、金融機関への予防的な資本注入枠を拡大の部分だったのではないのだろうか。
麻生首相による追加経済対策の発表は10月30日に行われているが、その対策の骨格は23日にはまとまっていたと思われる。
そして、24日午前、金融機能強化法改正案を閣議決定し、同日昼に国会に提出している。
金融強化法の本格的な審議は29日から始まったらしいが、その前日28日に麻生首相に質疑がなされており、民主党中川正春議員の質問に麻生首相は次の様に答えていた、
ー引用ー
中川議員の質問にお答えをさせていただきます。
まず最初に、政府の方針について申し上げます。
現在の国際金融情勢は、尋常ならざるものがあります。そのため、今回提案をしております金融機能強化法案などの改正法案は、一日も早く成立させる必要があります。したがって、今後、野党から具体的な御提案があった場合は、委員会審議を通じ、よりよい成案を早急に得られるのであれば、政府としても積極的に協議に応じてまいりたいと考えております。この点をまずもって申し上げておきたいと存じます。
次に、各質問についてお答えをさせていただきます。
経済対策についてのお尋ねがありました。
日本の経済は、景気後退の上に、国際的な金融危機、それに伴う株価の下落が起こるなど、厳しい局面に立たされているものと認識をいたしております。
国民生活と日本経済を守るため、生活対策の策定を政府・与党に指示し、今週中を目途に取りまとめることといたしております。また、昨日二十七日には、株式市場の安定、金融機能の一層の強化、そして証券投資のすそ野の拡大に向けた対応策の実施を関係閣僚及び与党幹部に指示したところであります。
こうした対策を速やかに実施することで、金融市場の安定化、経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。
(国会議事録・衆議院本会議2008/10/28より一部抜粋)
ー引用ー
麻生首相は「金融機能強化法案などの改正法案は、一日も早く成立させる必要があります。したがって、今後、野党から具体的な御提案があった場合は、委員会審議を通じ、よりよい成案を早急に得られるのであれば、政府としても積極的に協議に応じてまいりたいと考えております」と発言している。
この意志は、11月28日に行われた党首討論にも表れていたのではないのだろうか。麻生首相は、小沢民主代表に対して金融強化法案を成立する事の重要性を強く説明し、そして強く求めていた。
対して、小沢代表は麻生首相から求められる問いにただ応じ、最後に2次補正予算案の提出を求めていたのではなかったのだろうか。
そして最後、行き詰った感じの小沢代表が、2次補正予算案を出さないのであるならば、解散総選挙をすべきではないかといった発言をしたのではなかっただろうか。
では、何故、麻生首相は民主党小沢代表に対して金融強化法案の成立を強く求めたのだろうか。
また、麻生首相は金融強化法案は、現在の日本の景気状況によって追い込まれていると思われる中小企業などを中心として緊急に対応する為に10月中旬から準備していたものと思われるが。
公的資金注入の条件緩和 新金融強化法案で政府・与党
http://www.asahi.com/special/08017/TKY200810170415.html
政府・与党は今国会提出を検討する新たな金融機能強化法案について、公的資金注入の際に金融機関の再編を促す仕組みは盛り込まない方向で調整に入った。金融機関が資金注入を受け入れやすくする狙いがあり、経営者の責任追及についても緩和することを視野に検討する。
04年に施行、今年3月末で失効した金融機能強化法は、公的資金の注入を申し込む金融機関に、収益性向上の数値目標などを盛り込んだ経営強化計画の提出を義務づけ、計画が達成できなかった場合は経営責任が追及される仕組みとなっていた。ただ、合併行には経営責任を問わないなど条件面で優遇し、地域金融機関の合併や統合など再編を促す狙いもあった。
しかし、再編や経営責任の追及を嫌う金融機関から敬遠され、2兆円の枠に対して2件約400億円しか利用されなかった。このため、政府・与党は「使い勝手が悪い」として見直しに着手した。
中川財務・金融相は17日の全国信用組合大会で「金融機能強化法の一層のレベルアップを含め法改正の準備をしたい」と表明。経済閣僚の一人は「旧法は責任取らなければいけないとか、合併しろと書いているが、(仕組みを)外すか、緩和するというのはあり得る」と語った。
金融機能強化法は金融機関の救済自体が目的ではなく、貸出先の中小企業への資金供給が狙い。米国発の金融危機を受け、日本も欧米と同様、金融機関に資本注入する仕組みを整えることで、国際的な協調態勢を確実にしたい考えだ。ただ、再編促進や経営責任を追及しない公的資金注入は「モラルハザード(倫理欠如)を生む」との批判を招く恐れもある。
政府・与党は21日にも法案をまとめ、月内の成立を目指す。民主党も同法の時限復活には前向きであることから、野党側に政策協議を呼びかける方針。
(朝日新聞2008/10/18)
金融強化法案は、24日に国会に提出され28日から衆議院より本格的に審議が開始された。そして、11月6日に衆議院本会議で可決し、参議院に送付される。
参議院では、7日に麻生首相らの趣旨説明と質疑が行われ、審議が始まった。
麻生首相に反して、民主党は金融強化法の成立を拒否していた事は間違い無いだろう。
衆議院財務金融委員会の時には、新銀行東京が対象から外れるか否かを正して結局は拒否している。そして参議院に入れば、民主党は改めて新銀行東京を注入対象から外し、農林中央金庫へ資本注入とする事を国会決議の条件と要求した。
金融強化法案というのは、朝日新聞の記事にも書かれている通り、金融機関の救済自体が目的の法案では無く、中小企業への資金供給が目的としていると思われる。
では、農林中央金庫はどれだけの貸出しを行っているのだろうか。資本金は三菱UFJやみずほなどメガバンクと同じく1兆円を超えるクラス。総資産は68兆円。
この総資産68兆円のうち、2007年度の貸出しは僅か1%程度の1兆円程度だったらしい。
金融強化法に基づく金融機関への政府の資本参加枠の拡大による、中小企業への支援策について、信用保証協会による緊急信用保証を6兆円から20兆円、政府系金融緊急融資を3兆円から10兆円にそれぞれ拡大するとしている。合わせて30兆円。それでも、農林中央金庫の総資産にも及ばない。
果たして、農林中央金庫に資本注入をする必要などあるのだろうか。非常に疑問である。
農林中央金庫は金融強化法とは全く相反する金融機関と判断してもいいのでは無いのだろうか。と考えれば、民主党の行動は、完全な法案成立に対する拒否行為と考えていいのでは無いのだろうか。
しかも、ただ単に法案を拒否したというのでは無い。麻生首相が、この景気状況の中、重要な対応策として提出していると思われる法案を故意に拒否し、更には廃案にまで持ち込もうとしていたのだろうか。
要するに、小沢民主党は、我々国民の生活を、完全に無視し、政党のみを視野においた行動を取っていたという事になるのではないだろうか。
この当時、マスコミはこういった民主党の行動などには気づいていた筈。なのに、何故か民主党に関しては余り報道するような事はせず、定額給付金や麻生首相のプライベートな面、或いは一寸した発言を徹底的に批判するという、まるで「いじめ」行為のような報道を行っている。
対して、民主党が金融強化法案に参議院で農林中央金庫への資本注入を要求した意図などを一切追及しようとしたとは思えないし、民主党が金融強化法案を拒否し、成立する事が長引けば中小企業などにどの様な影響が出るのか、といった事なども報道しようとは一切行ってはいなかったのではないだろうか。
11月下旬からだったのだろうか、或いはそれ以前からだったのかもしれないが中小企業が多く倒産している事が明らかとなってきている。
これを、民主党やマスコミは2次補正予算を麻生首相が今国会に提出しないからだと、責任を擦り付けるような発言をしていたのではないかと思えるのだが。
それは可笑しい。
今国会に2次補正予算案が提出されたとしても、衆議院、参議院で審議を行わなければならない。そして可決されるまで時間は掛かるのではないのだろうか。例え今国会に提出されたとしても、それが実施されるのは来年のいつ頃になるのか、分かったものでは無いのだろうか。
参議院財政金融委員会で民主党大塚耕平議員と中川昭一財務大臣との間で次のような討論が行われていた、
ー引用ー
○大塚耕平君 じゃ、財務省にこの場を借りてお願いをしておきますが、そういう過去の例を一度整理して御教示をいただきたいと思いますので、それはよろしくお願いいたします。
いずれにいたしましても、この委員会に今付託をされました法案は、これから金融サミットに臨まれる原因になりました金融危機に端を発してこういう法案も作った方がいいのではないかということで議論が始まったわけであります。
お手元には、今日、資料配付をお許しをいただいてさせていただきました。一つはホッチキスで留めてあります七枚ぐらいのものと、あともう一枚、昨日、都政クラブで記者会見のときに配らせていただいた資料でございます。
まず、このホッチキスで留めた方の資料から御覧をいただきたいんですが、是非建設的かつ合理的な議論をさせていただきたいという思いで作らせていただきました。
まず、この法案の目的でございますが、改めて議事録に残す形で少し読み上げをさせていただきたいと思います。
まず、今回この委員会に付託されております法案は、米国発の金融危機に対応して日本の金融システムの安定を企図したものであると、これはもう与野党一致した立場であるというふうに思っております。また、広い意味での金融システムは、銀行や保険や証券等のいわゆる金融機関によって構成される金融部門と、それから金融部門が融資をする対象である企業や家計等の非金融部門の双方から構成されると、これもう事実でありますから論をまたないところであります。
しかし、今回の法案はこの双方の安定を企図するものであって、過去の経験を踏まえますと、とりわけ企業や家計、非金融部門の安定を第一義的な目的としていると、このように理解をしております。
なぜならば、一九九〇年代前半のバブル崩壊後の経済状況あるいは一九九〇年代後半の金融危機、また二〇〇〇年代前半の不良債権処理の加速期における経験において金融部門の安定が過度に優先され、あるいは金融部門だけが安定しても非金融部門、とりわけ中小企業金融の円滑化が十分に行われなかったということを強く感じておりまして、そのことがその後の日本の実体経済の脆弱さや低迷につながっているというふうに認識をしております。
そして、その中小企業は、詳しく数字は申し上げませんが、与党の先生方も御承知のとおり、法人数の大多数を占めるほか、その従業員も労働者全体の大半を占めるわけであります。また、大企業の協力下請企業として日本経済の基盤も形成しているわけでありますので、中小企業の金融の円滑化にいかに寄与するかというのが今次法案の最大の目的であるというふうに思っております。
したがって、この法案は中小企業金融の円滑化を最も重要な目的とするわけでありまして、その目的に資する金融部門への公的資金投入であれば積極的に行うべきものであるというふうに私ども民主党も考えております。
まず、ここまでの基本認識で、大臣に特に認識に違いはなければないというふうにお答えをいただきたいですし、若干何か補足があれば御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 基本的には、御指摘のとおり、日本は世界的な好景気の中でずっと余りパフォーマンスは良くなかったわけでありますけれども、ここに来てアメリカ発そして欧米を中心にした金融リスクが非常に大きくなってきている、日本もともすれば影響を受けかねないという危惧というものがあることを断固阻止しなければならない。
日本の金融システムそのものは欧米に比べて健全でありますけれども、そういうことによって、今御指摘のように、日本を支えておる地方、中小企業といったところに円滑に資金が行かないということになると、健全な金融機関であるにもかかわらず資金供給ができないということになると、これはもう日本の経済にとっても地域の暮らしにとっても大変大きな影響が出るということで、それを回避するために、健全な金融機関、健全な金融システムの中で、資本参加を国がするというのがこの法案の趣旨でございます。
(参議院・財政金融委員会2008/11/13)
ー引用ー
民主党議員、そして中川財務大臣共に現在の景気状況において、両者共に中小企業へ円滑に公的資金が供給されるような金融システムが成されなければならないといった事を主張しているのでは無いのだろうか。
要するに、現在の景気状況に対する対応策としては、2次補正予算案では無く、金融強化法案だったということは、民主党の議員達だけでは無くマスコミの者達も十分に把握しきっていたのでは無いのだろうか。
だが、民主党は我々国民の生活を完全に無視し、ただ政党の事のみを意識した活動を行い、麻生首相を批判し、解散総選挙を求めていると思われる。
しかし常に客観的立場に立ち、我々に真実を伝えなければならない筈のマスコミは、どうしてこの様なデタラメな情報を伝えようとするのだろうか。
真実を伝えようとするのであるならば、追加経済対策に関しても、定額給付金だけに集中するのでは無く、他の重要な要旨に関してもしっかりと説明しなければならない責任があるのではないかと思うのだが、殆ど無視しているとしていいだろう。
更に、故意に麻生首相に我々の眼を向けさせる事によって、小沢民主党の行為から完全に意識を逸れさせていたのではないか。
ただ、その様に思えてならない。
そして、麻生首相とは全く異なり、民主党、そしてマスコミも我々の生活を全く無視した行動をしてくれていたのだな、と強烈に実感させられたよ。
金融強化法 早期成立で、年内施行を
(社説)
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20081023.html
政府・与党は、資本不足の金融機関に予防的に公的資金を注入する金融機能強化法改正案を二十四日にも国会に提出する方針を固めた。
株価暴落や取引先の倒産で、資本不足に陥っている地域金融機関が少なくない。中小企業の資金繰り支援のため、今国会で早期成立を図るべきだ。
基本的には、三月で申請が期限切れとなった旧法を復活させるが、使い勝手をよくするため、経営責任を一切問わない内容になっている。
モラルハザード(倫理観の欠如)を助長させないためには、放漫経営が原因で資本注入した場合などに例外規定を設ける必要がある。
米国発の金融不安で、有価証券や債権に運用損が発生して、資産内容が悪化している地方銀行や信用金庫が増えている。
二〇〇八年九月中間決算で、全国の上場八十七地銀のうち、損失処理が拡大して五十三行が業績を下方修正、十五行が中間赤字の見通しだ。
一方で、〇八年度上半期の全国の企業倒産数は前年同期比11・0%増の七千八百六十三件、負債総額は同二・九倍の八兆六千五百六十億円で、戦後二番目の高水準になった。
損失が増えて金融機関の資本金が棄損すると、自己資本比率を維持する必要上、融資のための余力がなくなる。
そのあおりで資金繰りが苦しくなり、経営が行き詰まる中小企業が出てくる。また取引企業の業績悪化が、今度は金融機関の資本不足に拍車を掛ける悪循環が深刻化している。
改正案は、こうした負の連鎖を断つ狙いだ。時価会計の一時凍結なども検討されているが、貸し渋り対策には資本注入が一番手っ取り早い。
具体的には、金融機関から国に対する申請期限を二〇一二年三月末まで延長して、大手銀や地銀には直接注入、信金以下の業態には信金中金など上部組織に間接注入する。
最大のポイントは、旧法が厳しい運用規定のせいで注入枠二兆円のうち、約四百億円の利用しかなかった反省から条件を大幅緩和した点だ。
ただ金融危機に関係なく、ずさんな経営で資本不足に陥っている金融機関との線引きをどうするのか、など課題もある。また、資本注入しても貸し出しが必ずしも増える保証はない。
臨機応変で、実効ある金融庁の行政指導が必要な局面も出てくるだろう。
法案審議に関しては、民主党内に解散先送りを警戒してこれまでの協力路線の見直し論が高まっている。しかし、民主党自身もほぼ同内容の金融危機対策をまとめ、発表している。
ここは与野党が知恵を出し合って、年内施行を実現する必要がある。資金需要が高まる年末に向けた中小企業の金融円滑化こそ、最大の景気対策だ。
(京都新聞2008/10/23)
民主党、そしてマスコミは完全に我々国民の生活を無視した行動を行っているとしか思えない。