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小沢は面白い発言をしている。政権交代で目指した原点を、野田内閣は忘れてしまっていると。
 
前回の衆議院選では民主は政権交代と共に、政治転換を強く訴えていなかったろうか。だが、訴えていた事を遣り通しているのだろうか。
 
 
 
 民主党の小沢一郎元代表は28日、栃木県真岡(もおか)市での会合であいさつし、消費税増税を目指す野田佳彦首相を念頭に「期待が大きかっただけ今、われわれ(民主党政権)に国民の失望、批判が向けられている」と批判した。小沢氏の公の場での発言は、政治資金規正法違反事件で無罪判決を受けて以降、これが初めて。
 
 小沢氏は「2年半前の総選挙で国民に訴えたのは何だったのか。われわれの内閣、政府はややもすればなおざりにして忘れてしまっている」と述べ、増税路線をとる首相の政権運営を批判。「原点に返り、初心を思い起こして政治に取り組んでいかなければならない。私はそういう思いを新たにしている」と述べ、消費税増税関連法案への反対を強くにじませた。
 
 小沢氏はさらに、政権交代後の民主党の政権運営について「基礎的な訓練が欠けていた」とした上で、「私どもはその意味で、長年にわたって政治の中枢でいろんな経験を積んだ」と述べ、幹事長などを歴任した自民党時代の自らの実績をアピールした。
 
 一方、石原慎太郎東京都知事らに「限りなくクロに近い灰色」と評された無罪判決には言及しなかった。判決への控訴期限(5月10日)を意識したとみられる。小沢氏は控訴の有無が確定した後、記者会見する意向だ。
 
 小沢氏が無罪判決を得たことで、民主党最大勢力ながら非主流派に甘んじてきた小沢グループが“反転攻勢”の動きを強めている。
 
 28日の会合で小沢氏の後を受けてあいさつに立った山岡賢次党副代表は、小沢氏の裁判や国家公安委員長時代に自身が参院から受けた問責決議について「政治的陰謀と言っても言い過ぎではない」と断言。「小沢、山岡コンビで改革をやっていこうとしたので、危機感を感じた国家的規模の勢力が小沢を抹殺し、山岡を動けないようにしようとした」とも述べた。
 
 さらに、「マニフェストに逆行することを、唯々諾々とのむことはできない」と述べ、首相の増税路線を批判。「民主党を取り戻す」との表現を用いて、対決姿勢を鮮明にした。
(産経新聞2012/04/28)
 
あの時の民主が訴えていた言葉で強く印象に残っているのが「コンクリートから人へ」、そして税の無駄使いを削除し、国民の命を大事にしたいとして「国民の生活が第一」と訴えていたのだろうか。
 
数年前より不況状況に苦しい生活を強いられていた人々の目を惹くマニフェストを示し、マスコミと共に当時の政権では何も出来ない、日本の不況を悪化させるだけだと批判を繰り返し、政権交代を訴えていたんじゃなかったか。
 
そんな民主に投票した人々は、本当に不況からの脱出を強く期待していたんじゃなかったろうか。その様に意識を持たせる事により、過去から訴えていた政権交代を実現したのだから。
 
だが、実際に政権与党となった民主は一体どの様な事を行っていたというのだろうか。マニフェストには「税金のムダ使いと、天下りを根絶する」、「子ども手当ての支給」、「年金制度の改革と後期高齢者医療制度の廃止」、「地域主権の確立」、法人税の削減や地球温暖化対策などに関して多くの事を訴えていた。
 
だが、どれだけの事を実行して来ているのだろう。財政状況の改善の為に税金のムダ使いと天下りを根絶すると強く主張していたのだろうが、民主政権となってから財政状況は改善されるのでは無く、逆に激しく悪化していたんじゃないだろうか。天下りも根絶では無く、続行させている。
 
子ども手当では、選挙の時には中学卒業まで一人当たりに年31万2千円の支給を行うとしていたが、鳩山内閣の時点で支給額は大きく減少し、野田内閣で抹消されているんじゃないのか。
 
また高速道路無料化や公共工事の大幅削減などを訴え、更に暫定税率の廃止としてガソリン税を廃止するとしていたが、ガソリン税は廃止どころか維持し続けるとなっている。高速道路の無料化は不可能という事が明らかとなり、公共工事削減の象徴として八ッ場ダム工事の中止を強く主張していた筈だが、それも馬淵国交相で覆る事となる。
 
年金制度では民主の訴える「月額7万円の最低保障年金」へと改革するには、大きな増税が必要と明らかとなり、不可能な状態となっているだろうし、廃止すると言い切っていた筈の後期高齢者医療制度は続行する事が決められている。
交代後にはすぐに廃止する事を示していたのだろうが、新たな制度の作成など出来ずに維持を認めるしか出来なくなってしまった。
何ら根拠も無く、ただ単に批判する事を繰り返していただけではないか。制度を理解しきった上で批判し廃止を主張していたのであれば、確実に廃止は行われていただろうから。
 
そして、民主は普天間基地問題では県内移設は許されない。最低でも県外への移設を行うと宣言し切っていたのに、政権交代後から8ヵ月後には、野党の頃には激しく批判を繰り返し政権発足後に即座に廃止していた、前政権が決定まじかまで進めていた辺野古移設とするとした。
何ら戦略を持たずに、自分達に目を向けさせる為だけに選挙公約を訴えていた民主を示しているのではないだろうか。
 
政権交代する以前の民主は、デフレなどにより苦しい状況へと追い込まれていった財政状況を必ず改善し、国民生活も良い状態とすると言い切っていたんじゃないだろうか。だが、実際には全く逆の方向へと向けてしまっている。
 
財政状況は悪化し、国民生活もより苦しい状態へと追い込まれているのではないのだろうか。更に、経済政策など何も行おうとしないのに、社会保障体制と絡めて消費増税を訴え始める。
自分達がこれまでに行おうとして来なかった、更に行おうとしていない経済無政策の付を国民へ回そうとしているのではないのだろうか。
 
小沢は「政権交代で目指した原点を我々の内閣は、ややもすればなおざりにして、忘れてしまった」と発言したらしいが、民主が目指していた事は必ず実現されると確信を持っていたのだろうか。
 
選挙公約は絶対に実現できるという確信があってこそ、主張する事が出来るのではないのか。その様な確信など何も無く、ただ有権者を惹き付ける為だけに訴えていたとすれば、09年衆議院選挙では本当に信じ民主に投票した人々を騙していた事となる。
 
それも、故意に行った事となる。小沢の言う「目指した原点」とは一体何なんだろう。単に自分達が、或いは自分が政権の座を奪う為だったのだろうか。その為なら有権者を騙す事にも悪意など感じる事も無かったろう。ただ単に、有権者を政権の座を獲得する為の道具としか意識していなかったのだろうから。
 
小沢は野田内閣の主張する消費税を批判しながら「(衆院の任期満了まで)まだ1年半の時間がある。みんなで力を合わせれば必ず支持を取り戻すことができる」とも発言している。未だに民主を信じている者はいるのかもしれないが、極僅かだろう。大胆な政策を公約しながら何も実行する事は出来なかった、逆に国民生活をより苦しい状況へと追い込んでしまっているのだから。
 
こんな政権与党に一体どの様な事が出来るというのだろう。更に状況を悪化させる事はあっても、改善させる様な事は無いのではないだろうか。
国民の為の政治を行おうとしているのでは無い。小沢は自分達が、或いは自分が満足できる事のみを行おうとしているのだろうから。
 
民主が09年の様な指示を取り戻すなんて事は、絶対にあり得ない。2度も繰り返して同じ政党に騙される者達はいないだろう。
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