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5月5日に北海道電力の泊原発が停止され、日本の原発50基が全て停止される状態となった。福島第一原発の事故により、定期検査に入る原発は全て活動停止される様になり、「脱原発」を訴える人々の意気がどんどんと高まっていた。
そして、日本の原発が全て停止される事により、日本は事実上「脱原発」の状態となっているのではないかと思えるが。原発の再稼動は認められず、そのまま廃止する事を強く訴えられているのだから。
ドイツ政府は2011年5月に原発廃止を声明している。だが、即座に行うのでは無く、2022年までに原発の閉鎖を行うとしている。一気に行うのではなく、段階的に行おうとしている。
昨年の定期点検の時に停止した7基と故障の1基、15年から19年までに3基、21年と22年に3基づつ。22年に全てを廃止するまでに原発に代わる電気エネルギー供給源を設立する事もしっかりと踏まえての事なんだろう。
ドイツとしては、現在17%らしい再生可能エネルギーの割合を22年には35%へ高めたいとしているらしいが。
対して今年度に一気に脱原発の状態となった日本は、原発に代わる電気エネルギー供給源を何時までに設立する事が出来るのだろうか。
「脱原発」を訴える人々は「再生可能エネルギー」を主力として新たに開発する事を強く主張していると思われる。
再生可能エネルギーには太陽光発電、地熱やバイオマス、風力や揚水、水力などがあるみたいだが、ほんの数年でこれらの再可能エネルギーと言われる物を、原発に代わる電気エネルギー供給源とする事は、とてもじゃないが不可能である事は間違いないんじゃないかと思えるが。
どれだけの設備を設置しなければならないか、その為の予算は一体どれだけの額となってしまうんだろう。兆単位の費用が必要とされる事は間違いないんじゃないか。
自民党が2010年のマニフェストで、「2020年を目途に最終エネルギー消費量の20%を再生可能エネルギーとすることを目指します。」としてある。自民党のマニフェスト通りになったとしても、再生可能エネルギーを「最終エネルギー消費量の20%」とするまでに8年以上は掛かるという事となってしまう。
だが、現段階の政府ではその様な活動は行っていはいない筈。自民の示す8年処か、それ以上の大きな年数を要する事は間違いない。
現在停止されている原発が再稼動される事なく、ドイツの声明と同じ様に閉鎖、或いは完全な「脱原発」へと進めてしまう事となった時には、これから数年の間は現在主要となっている火力発電によるエネルギー供給を頼らなければならないし、その為に供給量を増加させなければならなくなってしまう。
現在建設中、或いは建設計画されている火電はある様だが、現在の経済・財政状況から果たして全ての建設計画などは実行され、新たな火力発電所はいくつ作られる事になるだろうか。実行される事が無ければ、現在で廃止されている火電を再稼動し、活用しなければならなくなってしまう。
だが、既に廃止されている火電を全て活用するとしても決して原発のエネルギー供給量を賄う事は不可能ではないか。廃止された火電の供給量と、停止された原発の供給量では原発の供給量が大きく上回っている筈。
また、昨年の東日本大震災の影響もあるらしいが、現在も発動されていた火電にトラブルが発生している。
東北電力と東京電力が共同出資する相馬共同火力発電(相馬市)の新地発電所2号機(福島県新地町、出力100万キロワット)が6日午前6時すぎ、運転を停止した。ボイラー内で蒸気漏れが見つかったためで、原因箇所を調査中で再開は未定。1号機(同100万キロワット)は運転を継続している。
同火力発電によると、5日午後9時ごろ、巡回中の作業員がボイラー内の異音に気づいた。6日午前0時半ごろから出力を低下させて調べ、午前3時半ごろ、蒸気漏れを発見、停止作業に入った。蒸気が漏れたのは、蒸気を発生させるボイラーの配管という。
東北電によると、2号機停止に伴い、同社の供給力は47万キロワット低下したものの、「電力不足の心配はない」としている。
新地発電所は東日本大震災の津波で電気関係設備などが被災。昨年12月19日に2号機が、同27日に1号機がそれぞれ運転を再開していた。
(河北新報2012/05/07)
まして火電が廃止されていったのは、80年代から90年代が中心となっていて、廃止されてからの期間が非常に長い。更に発動開始されていはのは50年代から60年代が中心で、廃止から再稼動される火電の老朽化も問題視されている。
大きなトラブルが発生するのではないか。それにより供給量に大きな影響をもたらすかもしれない。
廃止されてから全く活用されていなかった火電を、突然に再稼動したとしてどれだけ信頼できる供給量を求める事が出来るのだろうか。
原発停止の影響を今夏ばかりに目を向けている人々が多いと思われるが、決してその様な事は無い筈だ。今夏だけでは無く、その後も原発停止によるエネルギー供給量の大幅な減少の影響は続く事になるだろう。
ドイツと同じ様に一定期間を設け、原発の閉鎖を目指すのであれば、その間に原発に代わる新たな電気エネルギー供給源の設置も可能となるかもしれない。だが、現在の様に停止された原発の再稼動を認めようとしないとなれば、ドイツとは異なり今年度5月5日で完全に閉鎖された事となってしまう。
電気エネルギー供給を火電だけに頼る事となってしまえば、今夏は電気エネルギー供給が不足すると言われているが、今夏だけでは無くその後の冬、そして来年の夏と供給不足が続行される事となってしまう可能性は高い。それを補う為にも、これまで以上に多くの複数の化石燃料の輸入を行わなければならなくなってしまう。
供給不足が続き、安定した電気エネルギー供給が出来なくなり、化石燃料の大幅な輸入増加が継続される事となった時に経済全体にどの様な影響をもたらす事となってしまうのか。それらの影響は企業だけでは無く、家庭へも響いてくるのではないか。
原発の再稼動を行うのでは無く、停止した事をきっかけとしてそのまま脱原発としてしまう事によって、経済の活性化や原発に代わる新たなエネルギー開発などは確実に実行されるのだろうか。逆に、厳しい状況へと追い込まれる可能性が高いのではないだろうか。
脱原発を訴える人々は、ただ原発の危険性ばかりに目を向けているのではないか。そうでは無く、現在の原発のエネルギー需給と経済や国民生活への影響力にもしっかりと目を向けなければならない。
一点ばかりに目を向け、全体を見ようとしない事は非常に危険な行動なのではないかと思われるが。
脱原発を実行しようとしても、その様な事は一気に出来る様な事ではない。原発閉鎖とそれに代わるエネルギー開発のしっかりとしたプランとビジョンを打ち立て、それを元として進んでいかなければならないのではないか。
現在の再生可能エネルギーでは世界のトップにあるらしいドイツでも、22年までに増加は現在の割合から18%となっている。水力、風力、バイオマス、太陽光などによる発電などを活発に行い推進してきていたドイツ。
ドイツに比べ再生可能エネルギーでは後進国だろう日本が、割合を数%としか出来ていない状態から、同じ22年までにどれだけの割合の増加を行う事が出来るのだろうか。
原発に代わる新たなエネルギー供給源として、どこまで推進する事が出来るのだろうか。以前に、その費用を任される財政の改善はどこまで行う事が出来るのだろうか。
愛知県知事大村が下記のような語っているらしい。
愛知県の大村秀章知事は7日の定例記者会見で、国内の原発が全基停止したことについて「福島第1原発の事故で安全性の前提は崩れた。中長期的に原発依存からの脱却は当然の帰結で、原発ゼロもあり得る」と将来的な全基廃止の可能性に言及した。一方、「一足飛びに全ての原発を廃止して、国内の産業が持つのかは冷静に考えなければならない」とも述べ、政府が目指す原発再稼働の動きにも一定の理解を示した。
名古屋市の河村たかし市長は7日の幹部会で「原発リスクのない地域は産業政策の面からメリットが大きい」と、改めて「脱原発」の姿勢を強調した。【駒木智一、三木幸治】
(毎日新聞2012/05/07)
東日本大震災による原発事故をきっかけとして、多くの人々が「脱原発」を強く主張する様になっている。これは、ただ単に時流に流されているだけなんじゃないだろうか。
ただ一点だけに目を向け、その事の実現だけを求めようとする。政権交代ばかりが注目され、多くの国民が当時の野党民主ばかりに目を向ける事とされていたていた時期と現在が非常に一致しているのではないか。その様にも思えてならない。
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