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橋下が原発停止による影響から起こる電力不足に対し、再稼動や節電対策を行わず乗り切る「第3の案」を策定する事を明らかとした。
 
策定する事は大いに結構。だが、その内容は非常に曖昧なのではないだろうか。一応、3つの案が浮かんでいるらしいが。果たしてそれらは独自の策定という事にあるのだろうか。
 
 
 
 
 関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)が再稼働しない場合、関電管内で今夏、15%程度の電力不足が生じるとの政府試算を巡り、大阪市の橋下徹市長は11日の記者会見で、再稼働や強制的な節電策を行わずに乗り切る「第3の案」を、大阪府・市で独自に策定する考えを明らかにした。
 
 政府の有識者会議は10日、〈1〉大飯原発を再稼働すれば電力不足はほぼ解消〈2〉再稼働できなければ15%程度の電力不足――との試算を提示。〈2〉の場合、計画停電や電力使用制限令などが想定されている。
 
 第3の案は大阪府市統合本部のエネルギー戦略会議で検討する。橋下市長は「政府の案に並ぶぐらいの具体案を示し、関電管内の府県民の力で危機を乗り越えていきたい」と述べた。
 
 同会議ではこれまで、中部電力などからの電力融通や、電力ピーク時に昼間の数時間を休業とする「シエスタ休暇」の導入、電力の大口需要企業が輪番操業するなどの案が上がっている。
(読売新聞2012/05/12)
 
この記事の中で橋下いう独自策定に上がっているらしい3案は、「中部電力からの電力融通」、「シエスタ休暇」の3つ。「電力融通」は昨年にも活発に行われていただろうし、「シエスタ休暇」なんかは一部の自治体や企業は実行していたんじゃないのかな。また「輪番操業」は政府が推進し、企業などが活発に行っていたと思われるんだが。
 
まず独自とはなんだろうと思い、いつも通り複数から検索を行えば「他と違って、そのものだけにあること。また、そのさま。独特。特有。」といった事が共通の説明とされている。
他の策とは異なる独特の策などを独自というのだろうか。
 
国家戦略質に設置された需給検証委員会の資料6だと電力会社の需給見込みで供給力が不足されると予想されているのが、北海道、関西、九州となる。そして予備率とやらで、最も余裕を持つのが中部であり、最も不足しているのが関電らしい。
9電力会社の需給の予備率の+と-を加算すると、予備率は-71となる。最も高いのが関電の16.3%。そして、今夏で最も融通電力に余裕があるのは、東は東電、西は中部となるんだろうか。
今夏の西側では電力融通を最も受けなければならないのは関電であり、次いで九電になる。四電に融通する余力は無いだろう。余裕があると見られるのは中部と中国なのかな。果たして、どの様な電力融通が行われる事になるのだろうか。
だが、足りない部分を他社からの電力融通で穴埋めしていた事は昨夏でも行われており、決して新しい策などとは思えないが。逆に当然に行われるべき緊急的な対策なのではないだろうか。
 
また需給検証委員会の資料3-1-1で飯田哲也提出資料があり、これによると「関西電力も、原発が全て停止する場合でも、2011年なみの節電を行い、若干の追加対策を行うことで、揚水発電を活用しながら、安定的な電力需給を実現できる。」としてある。完全に電力不足の状況を把握しての資料であるか否かは、自分の様な凡人には分からないが。
 
橋下は、つい最近に東電が電力値上げに時間帯を作った事に賛意を出していたかと思うけど、これに関する案が飯田哲也提出資料にも出ている。これに絡んで、東電の策の賛意を行っていたのだろうかなどと思ってしまうが。
 
だが、自分は見ていないからハッキリとは知らないけれど「普通のおっさんの溜め息」の5月5日にブログに、飯田哲也の一つの発言が引用されている。関電が節電対策を行わないとして、「これだと停電じゃないですか、足りないじゃないですか。停電おこさないようにと言いながら結局停電じゃないですか。どうするんですか?」と語っているらしい。資料3-1-1とは矛盾している発言をしているんじゃないかと思えてしまう。
 
「輪番操業」なんて事も、昨夏から企業が活発に行っていた事で、決して新しい事などでは無い。また、企業では「輪番操業は」は今夏も行われるのかもしれないが、それよりも昨夏よりも電力不足が心配される事から、大手企業などが自家発電に実行しようと大きな資力を注ぎ込もうとしているのではないだろうか。
だが、中小企業などにはその様な資金も無いのかもしれない。電力不足は、中小企業や小さな工場などを追い込んでしまう事になる可能性も高く持っていると思われる。
 
そして「シエスタ休暇」なんて事も昨夏から企業や一部の自治体が行っていたことなんじゃないだろうか。シエスタとはスペイン語で「昼寝」と言う意味らしいが、有給休暇を使い電力供給のピーク時に休んでもらい、電力消費量を下げる事が目的他らしい。
 
シエスタ休暇というのは、その時間帯に絶対に休暇を行えるという事ではなく、会社内などでの活動で消費電力を大きく削減しようとする事が大きな目的じゃないかと思われる。故に、民間の社員や公務員などは完全な休暇を行っていたとは限らない。
 
何よりも「シエスタ休暇」とは決して休暇とされている訳ではないので、この時間帯は有給休暇として扱われるらしい。だから、「シエスタ休暇」を実行するか否かは個人に判断してもらわなければならない。
個人にとって大事だろう有給休暇を自分達では無く、会社などの為に利用してしまう事となってしまうんじゃないのかな。これは、個人にとっては大きなデメリットとなってしまうだろう。故に、「シエスタ休暇」を活用していた人々はどれだけ居たのだろうか。
 
昔から行っていたスペインなんかでは、効率よくないとして現在では行われていないらしいが。
 
橋下の言う府・市で独自に提案する「3つの案」に「電力融通」、「輪番操業」、「シリアス休暇」などが上げられているらしいが、これらのどこが独自の提案となるのか非常に疑問に思えてならない。
 
といって、上がっているらしいこれらの案で3案が固まると決定されている訳では無いので、単純に決め付ける訳には行かないんだけど、独自の案と言い切るからには、これまでに行われていなかった節電対策を引き出しまとめて行かなければならない。
 
発言したからには、そういった事を確実に行い実行する責任が課せられる筈だ。にも拘らず、これまでに行われていた対策に類似する事を3案とすれば、非常に無責任発言を行った事になるのではないのだろうか。
 
橋下も、政権交代を実現させる為に民主が訴えたマニフェストを殆ど実現できない状態にあることを強く批判していた一人の筈だ。民主と同じ行動を行うなど、絶対に許される事では無い。そういった事は、橋下自身もしっかりと自覚している筈だ。
 
節電に対し、どの様な案を提出する事となるのか、非常に関心を持たされる事となってしまう。そして、それをどの様に実行する事になるのだろうかと。
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