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大阪改革プロジェクトチームの発足者は橋下市長。橋下は昨日「市民に義務を課すのは好きではない」といった発言をしているが、大阪PTは昨日の発言とは全く異なる事をテーマとして発足していた。
 
その為に、その影響を直接受ける事となる大阪市の住民などから激しい反論が出る様になって来ているのだろう。
 
 
 
 大阪市の改革プロジェクトチーム(PT)が先月まとめた試案で、放課後に子どもの遊び場を提供する民間施設に補助金を支給する「子どもの家事業」の廃止方針を打ち出したことに対し、戸惑いが広がっている。施設は市内28カ所で、18歳未満の約2000人が利用。昨年度は1億6100万円を補助した。障害児や複雑な家庭環境の子どもを基本時間を超えて受け入れる施設もあり、保護者らが「居場所をなくさないで」と訴えている。【反橋希美】
 
 日雇い労働者のまち・釜ケ崎(西成区)に民間児童館「こどもの里」がある。4月26日の午後1時、「ただいま」と女子中学生を筆頭に子どもたちが帰ってきた。登録は90人。基本は午後6時半までだが深夜まで開けており、親との関係に悩む高校生が相談に来る。利用する子どもの出生届が出されていないことに職員が気付き、小学5年で初めて通学し始めた例もある。
 
 こどもの里は77年に開設された。大阪市から年間800万円程度の補助金が支給されているが、荘保(しょうほ)共子館長(65)は「補助がなくなれば、職員確保は難しい」と言う。他の施設も中高生の障害児を受け入れるなど特色ある活動を行っている所もある。
 
 1日約50人が利用し、深夜まで延長保育を行う「つくしクラブ」(東淀川区)は「今の補助でも赤字運営。職員や預かる子を減らすしかない」と訴える。
 
 PTは、(1)298ある市立小学校の空き教室で、校区内の小学生を対象にした「児童いきいき放課後事業」(2)保護者が運営する学童保育所(105カ所)に補助金を支給する「留守家庭児童対策事業」(3)子どもの家事業??の放課後対策3事業のうち、今年度限りで(2)と(3)への補助を打ち切る案を示している。
 
 日雇い労働をしながら、小4と中1の姉妹をこどもの里に預ける父親の吉岡基(もとい)さん(48)は「仕事が遅くなる時に夕飯を食べさせてもらえ、安心して預けられる」と語り、PT案に反発する。近くの小学校に勤務する50代の女性教師も「学校に居場所を見つけられない子が、こどもの里に救われている。PTへの反対の声を集めたい」と話す。
(毎日新聞2012/05/02)
 
大阪PTの目的は大阪市のサイトに「市民生活の安定と都市の成長発展が持続的に確保される、効果的かつ効率的な行財政運営の実現に向けて行財政改革を着実に推進するとともに、住民や地域コミュニティーの声が適切に反映された住民自治と自治体型区役所の実現に向けて区長が行う区政の運営及び改革を支援する」と書かれている。
 
大阪市のサイトに公開されている大阪PTの目的は、当然リーダーである橋下が主張している事だろうし、PTのメンバーにこの目的を軸としたプログラム作成を指示していた事も間違いないだろう。
 
また、大阪市統合本部プロジェクトチーム運営要綱の第2条(所掌事項)の4に「その他大阪市PT長が必要と認める事項に関すること」とされている。大阪PTのプログラムに橋下の思想がが大きく影響している事も間違いないだろうな。
 
そして橋下達によって提案された大阪PTのプログラムが3年間で546億円削除による104事業の民営化も含めた廃止などによる行政サービス削除。このプログラムは、果たして市民生活の安定などに繋がっているのだろうか。
 
橋下達が削除しようとしている行政サービスは市民生活に関わりの在るものばかり。市民生活の安定を図ろうとしているとは到底思えない。そうでは無く、自治体の安定を図ろうとしているのではないか。
その為に、市民生活に負荷を被せ様としている。市民生活の安定などは一切意識していないだろう。
 
 
だが現状をしっかりと把握した上で子どもの家への補助削除を妥当と判断したのだろうか。削除の理由を「地域のニーズに応じたサービスを提供できる環境を整えるため」としているが、逆に地域の求める要求を逆なでしているのではないのか。
 
大阪市には16の区に28の子どもの家があるらしい。そして大阪市のサイトに公開されている子どもの家の事業内容は「地域の社会福祉協議会や社会福祉法人など地域の方々にかかわっていただき、子どもたちに遊び場を与え、地域における子どもの活動の拠点としての役割をもちながら、放課後等における児童の健全育成を図ることを目的として、その経費を補助することにより『子どもの家事業』を実施しています」と説明されている。
 
各地区の住民は子どもの家という施設を有り難い存在と意識しているからこそ、活発に利用している人々が多いのではないだろうか。そして、その存在を非常に強く重視しているのではないかと思えるが。
 
大阪市にある子どもの家は、地域の住民のニーズにしっかりと応える活動をしていると思えてならない。
なのに、これらを削除し「公募により地域団体等に学校を開放して放課後事業を実施する」と見直し案を出しているが、開放された学校内で子供達はどの様に活動すればいいのだろう。そこに子ども達を担う職員などは存在するのだろうか。
 
地域のニーズに応える事が本当の目的では無く、ただ単に市の歳出を削減したいとしているだけでは無いのか。
 
記事によれば、こどもの里は「補助がなくなれば、職員確保は難しい」としているし、つくしクラブは「今の補助でも赤字運営。職員や預かる子を減らすしかない」としている。他の26の子どもの家も同じ様な状況となるのではないか。
 
子どもの家への補助削除が実行される事となれば、子供の家を利用していた人々の生活には大きな悪影響をもたらす事は間違い無いだろう。
 
橋下の主張するゼロベースのグレート・リセットに関し大阪市のサイトに「本年3月に、『市政改革プラン 基本方針編(案)』を策定したところですが、当面、約500億円の通常収支不足が見込まれる中、将来世代に負担を先送りせず財政再建を確かなものとし、政策転換を軌道に乗せるためにも、既存の施策・事業の見直し・再構築、あるべき『受益と負担』の検討など改革の道筋をつけていく必要があります。」と書かれてある。

ここでは、「約500億円の通常収支不足が見込まれる中、将来世代に負担を先送りせず財政再建を確かなもの」などと、一寸した綺麗事は書かれているが、結局は財政再建の為の負荷を住民生活へ被せようとしているに過ぎない。
 
大阪PTの目的の説明文に「市民生活の安定と都市の成長発展が持続的に確保」が含まれるが、その様な意図など全く有り得ない事は明らかな事は間違い無い。
 
橋下が行おうとしている市政改革は、市民生活は完全に無視し、大阪市の行財政だけを重視し、大阪市の安定だけを求めた施策を行おうとしているとしか思えない。
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