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 一人の女性医師が、「ドラマのように」かは分からないけど、本当に見事な救急医療をやってのけたんだな、と強い関心を持たされてしまった。
 
 
 
 千葉県野田市内の病院に勤務する女性医師が23日、当直明けに乗用車で走行中、別の車の中で心肺停止状態となった高齢女性に心臓マッサージを施すなどして蘇生させた。

 助けたのは、東京電力福島第一原子力発電所事故で福島市から野田市に避難していた女性だった。

 この女医は野田市中戸の東葛飾病院に勤務する内科医半谷
はんがい
京子さん(43)。救助されたのは、会社役員佐藤裕子さん(58)(野田市関宿)の母親で、4月末から佐藤さん方に身を寄せている福島市の斎藤ユキさん(83)。

 半谷さんは22日夜からの当直勤務が明けた23日午前8時半頃、朝食を取るため、茨城県境に近い路上で車を走らせていた。交差点に差し掛かったところ、右折車線でハザードランプを点滅させた車を発見。車内をのぞくと、佐藤さんが、後部座席の斎藤さんの心臓マッサージをしていた。

 半谷さんは「私は医者です」と声を掛け、佐藤さんに代わって5分間、人工呼吸と心臓マッサージを続けると、斎藤さんは目をゆっくりと開け、息を吹き返した。半谷さんは10分後に到着した救急車に同乗し、搬送先の病院まで付き添った。

 佐藤さんによると、斎藤さんが22日に「胸が苦しい」と訴えたため、23日に斎藤さんを車に乗せ、病院に向かう途中、発作が起き、呼吸が止まり、けいれんを始めた。車を止め、心臓マッサージをしても意識は戻らない。「もうだめか」と思った時に、「まるでテレビドラマのように」半谷さんが現れたという。

 斎藤さんは入院中だが、順調に回復しているといい、佐藤さんは「何とお礼をしていいか」と感謝している。半谷さんは「医者としてではなく、一人の人間の本能として、自然に体が動いていた。命が助かって良かった」と、ほっとしていた。
(読売新聞2011/06/26)
 
例え、一人の医師であっても、半谷さんの様にハザードランプを点滅している車を発見しても、誰もが車内の人の状態を確認したいとは思わないだろうし、何やら関心は持ってもそのまま通り過ぎてしまう医師が多いんじゃないだろうか。
 
車の中で、必死になり心臓マッサージなどを行い、意識を失うまでに危険な状態となっていた人達にとっては、突然に現れた医師には驚かされたかもしれないけれど、この医師の対処にはとても喜ばれていたんでしょうね。
 
そして、女性医師の半谷さんは医師としてでは無く、「一人の人間の本能として、自然に体が動いていた。命が助かって良かった」と語っている。
 
自分も街中で体にトラブルが起こった時、通り掛った人達に助けてもらった事が何度もあるけど、あの人々も同じ様な本能というか、強い気持ちを持ってて助けてくれていたのかな、なんて思ったりするが。
 
内閣の中に、こういった本能というか気持ちをしっかりと持った者がいれば、大震災への対応のあり方が大きく変わっていたのかもしれないが。そんな事も思わされてしまった。
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