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だが、橋下は日本国憲法を一切無視するかの様な発言を、昨日の大阪市職員の新規採用発令式で行っていたんだな。
大阪市では橋下市長が初めて迎え入れる新規採用の職員の発令式が市中央公会堂であった。冒頭、市の発令式では初めて君が代を斉唱。橋下氏は「仕事の99.9%は地味だが、0.1%は大阪を、日本を変えることができる。自分の力で大阪を変えるんだ、と思ってほしい」と激励した。「みなさんは国民に対して命令をする立場。だからしっかりルールを守らないと命令なんか誰も聞いてくれない」と服務規律の徹底を求めた。最後に「君が代斉唱の時は手は前に組むのではなく横に置くものです」と注意した。
参加した北村譲崇(じょうじ)さん(25)は取材に「ほとんどの仕事が地味だと聞いたが、しっかり職責を全うしたい」。萱野(かやの)敏博さん(39)は「大阪市が大きく動こうとしている時。自分の力を発揮する機会だ」と意気込んだ。
知事や保護者の教育への関与を強める教育2条例が1日に施行された大阪府教委は新規採用の教職員1889人の任命式を開いた。中西正人教育長は「2条例を巡り様々な議論があったが、生徒や保護者らの声を受け止め、努力が求められることを認識してほしい」と訓示。府教委で君が代の起立斉唱をめぐり、職務命令違反や批判が出ていることを踏まえ、「教育公務員である教職員が職務命令に従うのは当たり前。立場を重く受け止めてほしい」と求めた。
(朝日新聞2012/04/02)
橋下は「みなさんは国民に対して命令をする立場。だからしっかりルールを守らないと命令なんか誰も聞いてくれない」と発言していたみたいだが、これは一体どういう意味があるんだろうか。
公務に勤める者も国民であり、橋下も国民の一員である事は間違い無い。だが、公務に勤める者がどうして他の国民を指示できる立場に立つ事が出来るんだ。公務員は「国民の公僕」と称されるらしい。 そして憲法十五条の2では「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」とあり、「国民の公僕」である事を示しているのではないだろうか。
公務員は国民の生活などに仕える立場の者であるとしても、決して指示できる立場に立つ者では無い。
なのに、主権者である国民が、何時から一部の職に就く者達の指示に従わなければならなくなっているんだ。憲法ではその様な事など一切認められてはいない。公務員は全体の奉仕者と示されているではないか。 国民の上の立場に立つのでは無く、国家及び国民に仕えるとされている。
橋下は現在でも市長であると同時に弁護士でもある筈であり、日本国憲法の内容などはしっかりと把握している筈だ。にも拘らず、「みなさんは国民に対して命令をする立場」と新規採用された公務員に対して発言したのだろう。 何よりも、橋下が語った相手は国家行政に関わる国家公務員では無く、大阪市の行政に関わるだけの地方公務員ではないのか。
大阪市の地方公務員が、どうして「国民に対して命令をする立場」の者となるんだ。大阪市の地方公務員は大阪市に暮らす人々の生活やその他の関する業務を任されている者達であり、他の地区の人々、或いは国民の生活などには一切関わりの無い者達だろう。
この一つの地域の地方公務員が、何故「国民に対して命令をする立場」の者となるんだ。主権者である国民が、どうして大阪市の地方公務員から指示される立場とならなければならないんだ。
地方公務員法第三条3の一に「就任について公選又は地方公共団体の議会の選挙、議決若しくは同意によることを必要とする職」とある。公選により選択されなければならない市長も特別職地方公務員である事を示している。
よって、橋下は大阪市の地方公務員の長である事となる。大阪市の地方公務員に対し「みなさんは国民に対して命令をする立場」であると発言する事は、自分が日本国の主権者であるとでも勝手に思い込んでいるのだろうか。 だから、配下にある大阪市職員達は「国民に命令する立場」の者だと主張しているのだろうか。
国民では無く、自分が日本国の主権者である事から、橋下は大阪市職員だけでは無く一地域の住民では無く国民は自分に従わなければならないと勝手に認識し、その事を示す為に発令式の場で主張していたのだろうか。
更に「だからしっかりルールを守らないと命令なんか誰も聞いてくれない」とも語り、新規採用者に国歌斉唱の時には起立の姿勢をしっかりと指示していた。だが、式典で国歌斉唱を行わなければならないといった規則は存在しているのだろうか。
「ルールを守らないと命令なんか誰も聞いてくれない」は新規採用者に語っている。新規採用者にはまだ部下など存在しない。新規採用者に語ったルールを守らなければ命令を聞かないとする者達は、やはり国民という事になるのだろうな。
指示する者が決められた規則を守る姿勢を示さなければ、される側に拒否するきっかけを持たせる事となってしまうだろう。だから、橋下の部下でもある公務員達には橋下が決定した事には絶対に従わなくてはならないと。
だが、橋下の行っている行動と発言は、完全な違法行為となるのではないだろうか。憲法に反する事が当たり前の様に語り、実際に指示をし実行させようとしているのだろうから。
そして橋下の思想する行政体制とは一体どの様な事なのだろうか。ただ、民主主義国家で無い事は明らかだ。