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 東電とは別会社の作業員が、敷地内で作業中に初めて死亡した。いわき市の病院に搬送され、検視した結果、放射の野被害は無い、と医師は判断したらしい。
 
 
 
 菅直人首相は14日午後、首相官邸で記者団に対し、福島第1原発で作業員が死亡したことについて「本当に気の毒だと思う。原因が放射能被害かどうかしっかり確かめてもらいたいと思う」と述べた。
(時事通信2011/05/14)
 
複数の新聞社などが、この作業員の死亡に関する情報を流している。新聞の電子版が情報を流すとしても、情報を得てから数時間経ってからの筈。菅の下には、作業員の死亡の原因に関する情報はすでに流れていたのではないのか。
 
そして、作業員は放射能被害では無く、心筋梗塞だとされている。これらの情報は、すでに菅の元に届いていても可笑しくなかったんじゃないかと思えるんだが。だが、菅は作業員を「本当にお気の毒」としながら、その原因を死亡では無く、「放射能被害かどうか」とだけ語り、確かめてもらいたいと言ったらしい。
 
 
 
 福島第一原子力発電所で事故後、作業中に初めて死者が出た。

 14日に亡くなった60歳代の協力企業の男性の死因は、わかっていないものの、放射線量を気にしながらの防護服での作業は、身体的、精神的な負担も大きく、作業員に不安が広がっている。

 「いくら安全と説明されても、怖いものは怖い。目の前の原発が爆発するかもしれない」。先月上旬から汚染水をためる大型タンクを作っている30歳代の作業員男性は、不安を隠さない。

 作業時間は1日3時間だが、防護服は蒸し暑く、作業後、全身が汗だくになる。作業中に線量計の警報音が鳴っても3時間はきっちり働かされ、「ストレスで寝付きが悪くなった」。

 3月下旬から約1か月間、同原発で作業に当たった20歳代の男性作業員は「防護服での作業は飲み食いできない上、トイレにもいけない。夏までには何か対策を考えないと作業にならない」と語った。
(読売新聞2011/05/14)
 
現場での作業は非常に厳しい状態にあるんだろうな。東電もその事はしっかりと把握していなければならないだろうが、原子力緊急対策本部長でもある菅も同じ様に把握していなければならない。
 
そして、敷地内で作業をする彼等の健康管理を重視し、その対策もしっかりと行わなければならないのも、東電及び国の責任だろう。
 
東電は、4日に敷地内に医師を置く事を計画したらしい。だが、常時では無い。限られた時間となっている。その為に、今回死亡した作業員が身体に異常を示しただろう時に、医師は存在していなかったらしい。作業員が異常を示し、苦しんでいただろう時に、即座に対処する者は存在していなかった。その場に、ほったらかしだったのだろう。
 
国は、菅も東電と同じく敷地内に医師を置くなど考えなかった。作業員の健康管理を重視した、しっかりとした場を設置しようとは考えない。
 
菅は作業員の死亡を「本当にお気の毒」と語っているが、本音で語っているとは到底思えない。しかも、死亡の原因では無く、どうして「放射能被害かどうか」だけを確かめる様に求める。
 
現場で何があろうと、作業員がどうなろうと、自分の知った事ではない。それが、本音なのかもしれない。
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