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4月10日、麻生首相は首相官邸での記者会見で「経済危機対策」の発表をした。これに対して、マスコミや野党党首達は、財政支出が15兆余りである事を強調してバラマキの色が濃いとしたり、財源に国債を多く発行する事に国民新党の亀井は、「財源の無い政策だ」とし、社民党は選挙目当てだろうとしている。

そして、民主党は、批判するだけでは無く、対案も出し、どちらが有効な案なのか審議したいと主張しているらしいのだが。

民主、補正修正案提出へ=子ども手当、高速無料化など要求

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2009041000914
 民主党は10日、政府が27日の国会提出を目指している2009年度補正予算案に対し、修正案を提出する方向で調整に入った。子ども手当など同党の目玉政策を補正に反映させるよう要求。衆院解散・総選挙に向けて政府・与党との違いをアピールしたい考えだ。
 修正案に盛り込むことを検討しているのは、(1)中学生以下を対象とした月2万6千円の子ども手当(2)首都、阪神地区の路線を除く全国の高速道路料金無料化(3)職業訓練中の求職者に対する月10万円の生活費支援-など。菅直人代表代行や鳩山由紀夫幹事長らも出席した10日の党副代表会議でこうした方針で大筋一致した。 
 民主党が補正の修正案提出を検討する背景には、独自の対案も示さないまま政府・与党を「補正は選挙目当て」などと批判するだけでは、世論の反発を招きかねないとの判断もあるとみられる。
 これに関し、福岡県筑紫野市で同日夜、記者会見した菅氏は「効果の薄い、定額給付金に並ぶバラマキ部分は(補正予算案から)削除してもらう。本当の政策を盛り込ませる形で修正案をぶつける」と強調。さらに「税金を有効に使うのはどちらの党なのか(国民が)分かる徹底した審議をしていきたい」と語った。
(時事通信2009/04/10)

政府の経済危機対策の発表に関しては、首相官邸、或いは内閣府のサイトにPDFが置かれているし、民主党の緊急経済対策の骨格に関してもサイトに置かれてあって、双方を見比べる事が出来る。

人によって見方は異なるだろうけど、ハッキリ言って、民主党のほうは雑かな。

政府の発表では、第1章では基本方針を書いて、第2章から具体的施策という事の説明に入っている。
Ⅰ.緊急的な対策-「底割れの」回避として、1.雇用対策、2.金融対策、3.事業の前倒し執行、Ⅱ.成長戦略-未来への投資として、1.低炭素革命、2.健康長寿、子育て、3.底力発揮・21世紀型インフラ整備、Ⅲ.「安心と活力」の実現-政策総動員として、1、地域活性化等、2.安全、安心確保等、3.地方公共団体への配慮、Ⅳ.税制改正。

そして、簡単に説明が書かれて、其々には複数の具体的施策が記されている。

それに対して民主党の緊急経済対策の説明は、まず基本方針があって、基本シナリオに続き、具体的政策が簡単に書かれている。その後に、財源の説明もされているが、埋蔵金と記されている。埋蔵金残高は、財政投融資特別会計が6.5兆で、外国為替資金特別会計が19.5兆円となっているらしい。

民主党は、独自の対案を示さなければならないとして、今回の補正修正案として提出する緊急経済対策には、具体的な政策として、(1)家計が自由に使えるお金(可処分所得)を増やす、(2)新しいライフスタイル、新しい価値の実現を支援する、(3)現在の不安を軽減し、将来の安心感を高める、(4)消費の拡大、新産業の育成、安定雇用の維持・創出
その後、財源となっている。

だが、(2)新しいライフスタイル、新しい価値の実現を支援するは、政府のⅡ.成長戦略-未来への投資の中に共通する施策が幾つかあり、(3)現在の不安を軽減し、将来の安心感を高めるは、Ⅰ.緊急的な対策-「底割れの」回避が共通したテーマを持っているかと思われる。

Ⅱ.成長戦略-未来への投資は、「中長期的な成長を図る為、新たな経済成長戦略等を踏まえ、以下に示す3つのプロジェクト(「低炭素革命」、「健康長寿・子育て」、「底力発揮・21世紀型インフラ整備」)のうち、特に緊急に実施すべき施策を実行する」としている。

そして、1に「低炭素革命」を置き、「太陽光、低燃費車、省エネ機器等世界トップ水準にある環境・エネルギー技術の開発・導入促進、交通機関及ぶ交通・物流インフラの革新等により、世界に先駆けて『低炭素・循環型社会』を構築するとともに、都市鉱山開発、国際的な資源獲得戦略強化等により『資源大国』を目指す」として、太陽光発電と複数の具体的施策、低燃費車・省エネ性品等と複数の具体的施策、交通機関・インフラ確信と複数の具体的施策、資源大国実現と複数の具体的施策が記されている。

対して、(2)新しいライフスタイル、新しい価値の実現を支援するでは、「再生可能エネルギー分野における固定価格買取制度の速やかな導入などを含めた大胆な政策を講じることで、国民のライフスタイルや価値観の変化に対応した新しい市場・産業の育成を推進する」と、太陽光パネル設置促進等を「住宅用太陽光パネルの設置に対する半額助成など再生可能エネルギー導入に対する経済的支援を実施する」とし、次世代自動車購入支援を「一定基準以上の低燃費車、ハイブリッド等の環境対応車への買い替えについて、200万台程度を対象に最大30万円の促進策を実施する」だけだ。

Ⅰ.緊急的な対策-「底割れの」回避では、「非正規労働者等に対する新たなセーフティーネットの構築等の緊急雇用対策の拡充・強化を行うとともに、金融仲介機能の円滑化や企業の資金繰り対策等の資金面での対策などを講じ、経済などの「底割れ」を防ぐとしている

そして、1に「雇用対策」を置き、「非正規労働者に対する新たなセーフティーネット(就労訓練型生活支援)の構築、雇用の維持、雇用機会の創出など、緊急雇用対策の拡充・強化を行う」として、雇用調整助成金の拡充、再就職支援・能力開発対策と複数の具体策施策、雇用創出対策、派遣労働者保護対策、内定取り消し対策、外国人労働者支援等と複数の具体的施策、住宅、生活支援等が記されている。

対して、(3)現在の不安を軽減し、将来の安心感を高めるは、「セーフティネットの強化による不安軽減・安心感醸成によって、1400兆円の個人金融資産を活性化させる」と、簡単に記した後、全ての労働者に雇用保険適用、中学生までの医療費無料化(詳細検討中)、医師・看護師・コメディカル・クラーク等の不足解消、ドクターヘリの導入促進等、介護労働者待遇改善・人材確保、学校・病院等の耐震化加速等、学校教育の情報化、コミュニケーション教育の充実、求職者支援制度、消費生活相談員の拡充、消費の拡大、新産業の育成、安定雇用の維持・創出などが記されている。

まだ、どのような結果が出るのかは分からない。だが、政府と民主党から出された2つの案を読んでみて、信用できると思えるのは、政府の方でしかない。

政府の案では、具体的にしっかりとした説明がされている。更に、大雑把に組まれているのでは無く、しっかりと思考した上に組まれているのではないのだろうか。
対して民主党の案は、非常に大雑把としか思えない。

政府案を批判する時に使っている発言だが、単に我々国民に対するバラマキを意識していたとしか思えないし、それによって選挙対策も考えていたのだろう。
要するに、真剣に経済対策など意識して、今回の案を構成したなどとは、とてもではないが思えない。

特に詳細検討中とあるが、中学生までの医療費無料化など本当にやろうと考えているのだろうか。そんな事をすれば、日本の行政の在庫はあっという間に持たなくなってしまうよ。

真剣に意識してたのであれば、この様ないい加減すぎる具体策まで加えるという事など有り得ないだろう。

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