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民主党はこれまで「国民の生活が第一」と強く主張してきていたが、これは全くの出鱈目だったのか。
鳩山政権は求めるのは、政治主導と共に「国民主権」、そして「真の地域主権」だと16日の記者会見で鳩山総理自身が語っている。
だが、早くもその言葉とは異なる事を行なっているのではないのだろうか。
前原国交相:八ッ場ダムの建設中止を明言 現地視察の方針
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090917k0000m010135000c.html
前原誠司国土交通相は17日未明、国交省に初登庁し、本体工事の入札が延期されている八ッ場(やんば)ダム(群馬県)について「マニフェストに書いてあることですので中止します」と述べた。記者団の質問に答えた。
一方で前原国交相は「やみくもに中止するとなると、現場の方々に混乱が起きますので、どういう補償措置を(中止の)前提として取るのかは必須の条件になってくる」とも述べ、早めに現地視察する方針を明らかにした。
そのうえで「地元の方々あるいは関係自治体との話し合いでまとめていく中で、我々のマニフェストを実行していく」と述べ、八ッ場ダムの建設中止を明言した。
(毎日新聞2009/09/17)
八ッ場ダムに関しては衆議院選挙を終えて政権交代が確実となってから、地元の方々の声が大きく報じられるようになっているのではないかと思われるが、地域主権となる自治体、そして国民主権となる地元住民の方々は共通して、八ッ場ダムの建設中止の反対を強く訴えているのではないのか。
民主党は、昨年8月18日に鳩山総理(当時幹事長)と6人の国会議員が現地である八ッ場ダムへ視察へ行き、現地の人々や地域の方とも会話をしたとなっている。
民主党サイトでは、この時の視察で川原湯温泉観光協会会長の樋田氏が「正直ダムをつくってもつくらなくてもどちらでもいい。子どもたちが安心して暮らせる場所と時間ができればいい」と語ったと紹介しているし、川原湯地区区長は八ッ場ダム事業を問題視していると紹介している。
だが、どうなのだろうか。
1992年に川原湯温泉のある長野原町、群馬県、建設省の間で協定書が締結され、そして協定書締結後の94年から工事が始まり、2001年には川原湯の方々は政党では無く、国と補償協定を締結し、その土地を離れる事を決心しているらしいのだ。
吾妻川原湯温泉観光協会のサイトにある「八ッ場ダムについて」にでは、あと数年で、湖に沈む温泉として、
ー引用ー
長い建設反対の歴史をへて、現在八ッ場ダムの建設が進められています。
ダムが完成されると写真の点線までが湖面となり、川原湯温泉はダム湖の底に沈みます。
昔の風情を今に残している温泉街。
古き良き歴史ある川原湯温泉を
あなたの瞳に焼き付けておいて下さい。
ー引用ー
と書かれている。
そして昨年8月18日に鳩山前幹事長が現地へ視察に訪れ、地元の方々そして地域の方々と会談を行なっているが、川原湯温泉観光協会会長の樋田氏は「政府に振り回せれ疑心暗鬼になっている」そして、強く訴えていた事が「安心して暮らせる場所と生活を早く整理してもらいたい」と訴えていたらしい。
また、川原湯温泉の旅館経営者が「ダムを止めることが大前提で、その後に住民を救うという考え方でなく、まず住民を救う立場に立って考えてほしい」と語っていたらしい。
八ツ場ダム水没関係五地区連合対策委員会の萩原昭朗委員長も「やっと生活再建事業が始まってきたのに、これ以上苦しめないでほしい。早くダムが完成し、安心して暮らしたい」と語っていた様だ。
また、民主党が八ッ場ダムのは先月の衆院選のマニフェストに八ッ場ダムの「凍結」、或いは「中止」を加える事を表明している事に対し、地元長野原、東吾妻の両町長は反対を表明し、八ッ場ダムの早期完成を求める要望書を提出している。
2001年に締結された補償協定は八ッ場ダムが完成する事を条件としているのではないのだろうか。
その協定により、その地区に住んでいる人々は他の地区に移動して行ったのだろうし、川原湯温泉街の旅館も昭和60年に18件が7件となっているが、現在ではダム湖を観光資源として近くの高台へ移転する事を予定しているらしいのだ。
ー引用ー
民主の中止公約『八ッ場ダム』 『今さら・・・』地元動揺
同温泉旅館組合長で「高田屋旅館」七代目の豊田明美さん(44)は「移転を前提に施設の大規模改修を控えている旅館もある。ダム湖と生活再建は一体の事業。私たちには時間がない」と困惑する。「やまきぼし旅館」の五代目で同温泉観光協会長の樋田省三さん(44)も「先人たちが下流都県のためにと断腸の思いで受け入れた。国と契約したのに政権が代わったらいきなり振り出しでよいのか」と話す。
(東京新聞2009/09/02)
ー引用ー
衆議院選挙でも、吾妻郡の4町3村の人々は八ッ場ダムの建設が中止とならない様にと思いながら投票していたのではないのだろうか。
選挙後、政権交代が明らかとなった時、
八ッ場ダム、地元住民が推進協議会結成
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090910-OYT1T00887.htm
民主党が建設中止の方針を掲げる八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)を巡り、事業継続を求める地元関係者が10日、「八ッ場ダム推進吾妻住民協議会」(萩原昭朗会長)を結成した。
鳩山代表あてに要請書を提出するなど、建設中止反対運動を展開する。
要請書は「地元の反対闘争は終局し、未来に向けた生活が始まったときに中止受け入れは絶対できない」と主張。中止の場合は「地元の総力を挙げて法的手段も含め闘争を繰り広げる」としている。
町内の集会場には地権者、7町村長ら約300人が詰めかけ、ダム中止の動きに憤る声が相次いだ。川原湯温泉観光協会長の樋田省三さん(44)は「先祖伝来の土地や墓すべてをダム底に沈める決意をし、下流都県のために断腸の思いで判をついた。ここで止める訳にはいかない」と涙ながらに訴えた。
会場に駆けつけた大沢正明知事は、国がダム本体工事の入札を延期したことに、「1都5県が相応の金を出して共同事業者としてやってきているのに、何ら地元の意見も聞かず、言語道断だ」と語気を強めた。
(読売新聞2009/09/10)
民主党のマニフェストには八ッ場ダム建設中止し、生活再建を支援すると記してある。だが、可笑しくないか。
ダム湖を観光資源として高台へ移動する事を予定している川原湯温泉の方々を支援する事は、不可能なのでは無いのか。ダムが完成されないのだから。
昨年8月の現地での会話では、川原湯温泉の旅館の方々とも行なっている筈であり、旅館の方々は語っているだろう。
民主党は、これまで「国民の生活が第一」だと訴えてきていた筈だ。
だが、昨年8月に現地へ視察へ行く前から既に中止する事を決めていたのではないのか。最初から、国民や地域の言葉など聞く意識など持っていなかったのでないのか。
鳩山総理は「国民主権」、「真の地域主権」を求めると16日に語っていたが、これも出鱈目なんだろうか。