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2月6日に大阪市議会議員の杉村幸太郎議員が、昨年の市長選で前市長を労組が応援する為に組織ぐるみで絡まっていた事の証となる「職員リスト」を、実名で内部告発されたとしていた。
 
だが、その職員リストは労組が作成していたのか、疑惑が湧いてきているみたいだ。対し維新の市議員達も行動しようとしてるみたいだが。
 
 
 昨年11月の大阪市長選を巡って、前市長への支援状況を記す職員リストが職員労働組合名で作成されていた問題で、関係者に当惑が広がっている。
 
 作成者とされた市交通局の職員労組「大阪交通労働組合」(大交)が「リストは偽造」と大阪地検に刑事告発。リストを公表した大阪維新の会市議団も「真相解明を」と告発方針を決めた。誰が、何のために作ったのか。「リストの怪」は混迷を深めるばかりだ。
 
 リストは維新市議団の杉村幸太郎議員が2月6日、「内部告発者から提供を受けた」と公表した。
 
 非組合員の幹部を含む1867人分の職員名が並び、大交が平松邦夫・前市長支援のため職員に配布した「知人・友人紹介カード」の回収状況をチェックする欄があった。欄外には「(紹介カード提出に)非協力的な組合員は今後不利益となる」と記されていた。
 
 杉村市議は「内部告発者は実名を名乗って、『別の職員が職場のゴミ箱に捨てたものを拾った』と話しており、信ぴょう性は高い。労組が組織ぐるみで市長選に関与した疑いがある」と話していた。
 
 しかし大交は、人事担当者らしか知らない職員番号が記されていることなどを挙げ、「組合員が知らないデータを組合が入手できるはずがない。偽造だ」と関与を否定。さらに、▽海外派遣中の職員も「カード回収済み」と記入▽活字の書体が、大交が使っているものと異なる――などの不審点もあるといい、大交幹部は「我々と交通局に反感を持つ人物が作成したのではないか」といぶかる。
 
 交通局の幹部職員も「リストには、非組合員の管理職と組合員が混在するなど不自然な点が多い」と信ぴょう性を疑う。このため、維新市議らは「誰が作ったかは分からないが、市内部の職員データが作成者に漏れたのは事実だ」として作成経過の解明のため、地方公務員法(守秘義務)違反容疑での告発を決めた。
(読売新聞2012/03/05)
 
大阪交通労働組合が昨年の市長選に関わっていた証として「職員リスト」が内部告発されたとしていた。
この「職員リスト」に対し、大阪交通労働組合が「偽造」として刑事告発をしている。
 
対し杉村市議らが「誰が作ったかは分からないが、市内部の職員データが作成者に漏れたのは事実だ」として、地方公務員法34条「『職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。』と定められている。違反者は最高1年の懲役又は最高3万円の罰金に処せられる。」として告発している様だが。
 
地方公務員が守秘義務を無視した行為をする事は違法行為とされている。だが、刑事訴訟法239条の2では「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」とされており、知りえた秘密の意味によっては、公務員には明かす事が義務付けられている。
杉村市議達もこの時点では違法行為は行っていないと判断をし、何も告発しようとは検討していなかったのかもしれない。故に、内部告発者による情報を労組が政治活動を行っていた証として活用したのではないのだろうか。
 
橋下が当選した直後から労組は政治活動を行っていたとして批判を繰り返していたが、その事を示す大きな証拠として内部告発された「職員リスト」などの情報を堂々とあからさまとして活用し、主張していた。労組が昨年の市長選で前市長を支援する為に政治活動を行っていた証拠だとして。
 
だが、この様に指摘するからには、その情報の裏付けなどはしっかりと行い事実である事を確認しておくのは当然の事であり、注目される維新の会が指摘する情報は事実だと信じていた人々が殆どだろう。
 
だが、「職員リスト」を作成したのは労組では無いのではないかとする疑惑が浮かび上がってきた。そして大阪交通労働組合は指摘された証は「偽造」だとして刑事告発を行った。
 
大阪労働組合の刑事告発は、杉村市議が労組の政治活動の証として指摘した事が誤りであると訴えている。告発された情報を基に維新の会が主張している事は、事実では無いとして訴えている。そう、維新の会は嘘をついているんだと。
 
維新の会側は内部告発された情報に事実という確信を得て証として活用していたのであれば、刑事告発する大阪労働組合に対し自分達の指摘した事は誤りでは無い、事実なんだと主張しなければならない。大阪交通労働組合の告発は誤った行動だと主張できるんじゃないのか。
告発された情報は事実という確信を持っているからこそ、労組が政治活動を行っていた証として指摘していたのだから。
 
だが、杉村市議など維新の会側はは大阪労働組合の行動に反論する行為を見せようとしているとは思えない。どころか、「誰が作ったかは分からないが、市内部の職員データが作成者に漏れたのは事実だ」として、作成者に漏らした者を地方公務員法第34条に反する行為を行ったとしての告発を行おうとしている。
提供された情報をしっかりとチェックしていれば、維新の会側でも幾らかの疑問点は見つける事が出来ていたのではないか。
あからさまとする以前に、労組が作成していたとは限らないと判断出来ていたのではないか。だが、その様な事など一切行っていなかったからこそ、労組に対し何も直接の反論をせず告発する事を選択したのではないかと思えてならない。
 
更に、告発は大阪交通労働組合の告発を認める事ともなるんじゃないのだろうか。「市内部の職員データが作成者に漏れたのは事実だ」としている。内部告発された「職員リスト」は労組だけで作成できる物ではないと。
故に、「誰が作ったかは分からないが、市内部の職員データが作成者に漏れたのは事実だ」と労組の者が作成したとは確定せず、職員データを漏らす違法行為を行った者がいると告発しようとしている。
 
では、この情報を基として労組が市長選で前市長を支援していたと強調していた維新の会の行動は一体なんだったのだろう。事実として指摘するからには、ちゃんとした裏付けを行い、それにより誤った情報による主張をする事が無い様に確認していなければならない筈だ。
誤った情報による主張は、故意であろうと無かろうと「嘘をつく」という事となるのだから。
 
だが告発された情報の確認などは行わず、そのまま活用していた事は間違いないのではないか。主権者に真実を伝えるというよりも、ただ単に自分達にとって都合のいい情報だったというだけで、そのまま流してしまった。
主権者に未確認な誤った情報を提供していた事は間違いない。という事は、情報は真実を伝えなければならないといった意識は無く、ただ自分達に都合のいい情報を流していた事となるのではないか。
 
であれば、職員データを漏らす違法行為が行われていると告発する以前に、未確認な情報を労組の政治活動を行っていた証として活用し、主張していた事を、主権者に対し謝罪しなければならないと思えるのだが。
 
政治家として非情に無責任な行為を行っているのではないか、その様に思えてならない。
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