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橋下は義務教育で生徒が目標の学力レベルに達する事なければ、留年させるべきとしている。これは、子供達の為に行う事として。
 
 
 
 大阪市の橋下徹市長が、小中学生であっても目標の学力レベルに達しない場合は留年させるべきだとして、義務教育課程での留年を検討するよう市教委に指示していたことが分かった。法的には可能だが、文部科学省は年齢に応じた進級を基本としており、実際の例はほとんどないという。
 
 橋下市長は、市教委幹部へのメールで「義務教育で本当に必要なのは、きちんと目標レベルに達するまで面倒を見ること」「留年は子供のため」などと指摘。留年について弾力的に考えるよう伝えた。
 
 文科省によると、学校教育法施行規則は、各学年の修了や卒業は児童生徒の平素の成績を評価して認定するよう定めており、校長の判断次第では留年も可能。外国籍の生徒で保護者が強く望んだ場合などに検討されることがあるという。
 
 市教委も「学校長の判断で原級留置(留年)できる」としているが、実際は病気などで出席日数がゼロでも進級させているという。担当者は「昔は長期の病気欠席などでごくまれにあったと聞いているが、子供への精神的影響も大きい」と話している。
 
 橋下市長は22日に予定されている教育委員との懇談で義務教育課程での留年について提案、意見を求める予定という。
(毎日新聞2012/02/22)
 
本当に子供の事を考えて、留年させる事も考えているんだろうか。小学生の子供達で、学校の判断によるものか委員会などによる判断によるものか分からないが、仲良くなった友達が目標とされる学力レベルを認められ進級するが、それが認められず進級してきた子供達と、改めて1年間受けていた教育を受けさせられてしまう。
 
その様にさせられる事を、子供達はどの様に受け止めるのだろうか。他の生徒と同じ様に学習して来たつもりなのに、学力レベルが認められなかったから進級を認められない事を。
 
橋下は「義務教育で本当に必要なのは、きちんと目標レベルに達するまで面倒を見ること」と発言しているらしい。その目標レベルが、学力を向上させる事としている。では、義務教育とは何か。学校教育法第17条に「保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。」とある。
 
まず子に教育を受けさせる義務を保護者にあるとし、義務教育で行われる普通教育は第21条で10の項目が示されているが、基礎的な能力と技能を養う事を目的としているとされていないだろうか。
 
子供達の学力を高める事を目的としているのでは無く、人として社会人として生きていく為の基礎的な教育を行う事を目的としていないだろうか。決して、子供達の学力レベルの向上では無い。
 
その様な教育を行っているのは、高い進学率を求める教育を行っている進学校ではないのか。だが、学力の向上を目的とする進学校でも小・中学校での留年といった事を行ってきているのだろうか。その様には思えないが。
 
更にだ、目標の学力レベルに達しない子供達を留年とするが、その学力レベルは誰が何を参考として定める事になるのだろうか。それに達しているか否かを判断するのは一体誰なんだ。教師に一任するのか、或いは一学校だけで判断するのか。委員会により、或いは行政により判断される事になるのだろうか。
 
判断する為の資料は一体何なんだろう。テスト結果だろうか。子供の教室での姿勢なども含まれるのか。どの様な事を資料として判断する事になるのだろう。
 
目標とする学力レベルに達しなければ留年させられる事になれば、子供達はその事ばかりを意識する様になり、学校内での大事なコミュニケーションが薄くなってしまい、競争心ばかりが高められ、ただ学習する事ばかりに意識を集中させてしまう様になるかもしれない。そうなれば、子供達を平等に扱い基礎的な能力などを養っていく為の学校が、完全に塾と同じ状態としてしまうのではないか。
 
塾の様に進学を目標とする教育では無く、普通教育を受ける筈の学校の中で留年させられるかもしれないと意識させ、ただ学習ばかりに集中させてしまう事が、本当に子供達の為になるのだろうか。
 
留年できなかった子供達は進級してきた子供達、或いは進級していった子供達からどの様に意識される事になるのだろう。一年間学習してきた事を、低学年から進級してきた子供達と共に受けなければならないとなった時の子供達は、一体どの様な心境となってしまうのだろう。
 
橋下達は自分達で作成した教育基本条例を正しい事だとして主張しているが、子供達の教育を真摯に考え作成されている物とは到底思えない。
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